【詩集】漫才の音で目覚めた朝は
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01 アラーム
漫才の音で目覚める朝は
なんて寝起きがいいんだろう
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02 笑えない日
笑えない日にも漫才を見る
笑うためじゃなく 泣くためでもない
彼らは年甲斐も無く
本気でくだらないことを言っている
それを見て
泣きながら 笑う
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03 お笑いナルシスト
ナルシストの顔は
格好いいのかもしれないが
心から格好いいと思えない時がある
お笑いナルシストの漫才は
おもしろいのかもしれないが
心から笑えない時がある
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04 舞台
舞台の幕が上がる
また始まるんだ
やれるだけのことはやってみよう
自分に言い聞かせる
勢いをつけ 舞台に飛び出す
自分の立ち位置へ向かう足取りは
決して軽いものではない
目の前にはマイク
となりには相方
いつもと同じ
そう いつもと同じように
とにかく大きな声を出してみよう
その後のことは
その後で考えればいい
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05 笑われる 笑わせる
漫才とは
笑われたり笑わせたりすることではなく
ただそこに「笑いが在る」ということである
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06 誤解
自分の信じた笑いを追求することと
自分がおもしろければそれでいいと思うことは
似ているようで全然違う
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07 オチ
オチがしっかりとしている漫才は
後味が違う
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08 独特
最も自分らしい漫才を
自然に演じられるようになった時
人はそれを「独特」と呼ぶようになるのです
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09 独特のスタイル
素のおもしろさを
漫才に「昇華」できたとき
独特の漫才スタイルが生まれる
————————————————————
10 美しい漫才
立ち姿の美しさ
言葉遣いの美しさ
立ち居振る舞いの美しさ
美しい漫才は好きですか…
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11 スーツ
スーツを着て ネクタイを締め
まじめな顔で 舞台に飛び出す
ここまでは
まったくおもしろい要素のないおじさんが
まったくおもしろいことをしてくれるものだ
————————————————————
12 ボケとツッコミ
ボケてくれないと
つっこめないよって
君は言うけど
君がつっこんでくれないと
僕だってボケられないと思うよ
たぶんね
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13 ツッコミ
愛のないツッコミは 人を傷つけます
愛のないツッコミから生まれる笑いは 嘲笑です
愛のないツッコミは 人を救いません
愛のないツッコミは ツッコミではありません
「ツッコミ」とは 愛なのです
————————————————————
14 拾ってみよう
だれにも拾われず
こぼれ落ちてしまっている
たくさんの「ボケ」を拾ってみよう
優しさという名の「ツッコミ」で
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15 相方
誰よりも
相方を笑わせたい
そう思う時がある
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16 静と動
漫才師なら
ほとんど動くことなく
ただマイクに向かってひたすらしゃべる
そんなネタを2,3本は持っていたいものだ
————————————————————
17 動と静
舞台いっぱいに動き回り
最後になってやっとマイクの前に帰ってくる
そんな漫才もたまにはいい
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18 疲れをとるために
疲れをとるために
ゆっくりと
少し長目の
漫才を見る
————————————————————
19 無限
漫才は無限である
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20 限界にも限界がある
それが本当に自分の限界であるなら
わきまえるべきである
そうすれば新しい道が見えてくる
それが本当は自分の限界でないのなら
取り組むべきである
そうすれば新しい道が開かれる
限界にも限界があるということを
決して忘れてはならない
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21「うまい」と「おもしろい」
うまいけどおもしろくない漫才もあれば
おもしろいけどうまくない漫才もある
うまくておもしろい漫才が見たいと思うのは
贅沢なことなのだろうか
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22 逆説
格好を付けている漫才師は格好悪く
格好を付けていない漫才師は格好いい
————————————————————
23 笑いの計算
笑いを計算しようとすると
魂が欠けてしまうことがある
頭以上に 心を使おう
————————————————————
24 しっぺ返し
手を抜いて
取れた笑いに
笑われる
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25 すべる
すべることをおそれることは
すべることよりもおそろしい
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26 無心
無心でする漫才が 一番おもしろい
無心で漫才をするには 練習あるのみ
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27 人のせい
今日は客が悪かった
人のせいにしたその日から
何かを見失う
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28 思い出し笑い
疲れたとき
つらいとき
がっかりしたとき
大好きなあの漫才を思い出し
少し笑ってみよう
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29 ありのまま
ありのままが
一番 美しく
一番 かっこよく
一番 おもしろい
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30 演じる
演じているようで 演じていない
演じていないようで 演じている
それが漫才というものなんだろう
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31 創造
人は「0(ゼロ)」から
何かを造り出すことはできない
もしも「新しい漫才」を
造り出すことができたとするなら
それは
過去の漫才を「自分らしく解釈できた」
ということなのかもしれない
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32 壁
どうしても乗り越えられない壁がある
今はとりあえず この壁の前で
ネタ合わせをしてみよう
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33 笑いと感動
笑いと感動は裏表ではないが
笑わせようとすると感動してもらえず
感動させようとすると笑ってもらえない
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34 心
心のない笑いは 一瞬で消えて無くなり
心のある笑いは 後からじわ〜と効いてくる
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35 漫才の音
音だけでもおもしろい漫才は
本当におもしろい漫才だ
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36 未完成
真の漫才師は
01 アラーム
漫才の音で目覚める朝は
なんて寝起きがいいんだろう
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02 笑えない日
笑えない日にも漫才を見る
笑うためじゃなく 泣くためでもない
彼らは年甲斐も無く
本気でくだらないことを言っている
それを見て
泣きながら 笑う
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03 お笑いナルシスト
ナルシストの顔は
格好いいのかもしれないが
心から格好いいと思えない時がある
お笑いナルシストの漫才は
おもしろいのかもしれないが
心から笑えない時がある
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04 舞台
舞台の幕が上がる
また始まるんだ
やれるだけのことはやってみよう
自分に言い聞かせる
勢いをつけ 舞台に飛び出す
自分の立ち位置へ向かう足取りは
決して軽いものではない
目の前にはマイク
となりには相方
いつもと同じ
そう いつもと同じように
とにかく大きな声を出してみよう
その後のことは
その後で考えればいい
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05 笑われる 笑わせる
漫才とは
笑われたり笑わせたりすることではなく
ただそこに「笑いが在る」ということである
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06 誤解
自分の信じた笑いを追求することと
自分がおもしろければそれでいいと思うことは
似ているようで全然違う
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07 オチ
オチがしっかりとしている漫才は
後味が違う
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08 独特
最も自分らしい漫才を
自然に演じられるようになった時
人はそれを「独特」と呼ぶようになるのです
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09 独特のスタイル
素のおもしろさを
漫才に「昇華」できたとき
独特の漫才スタイルが生まれる
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10 美しい漫才
立ち姿の美しさ
言葉遣いの美しさ
立ち居振る舞いの美しさ
美しい漫才は好きですか…
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11 スーツ
スーツを着て ネクタイを締め
まじめな顔で 舞台に飛び出す
ここまでは
まったくおもしろい要素のないおじさんが
まったくおもしろいことをしてくれるものだ
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12 ボケとツッコミ
ボケてくれないと
つっこめないよって
君は言うけど
君がつっこんでくれないと
僕だってボケられないと思うよ
たぶんね
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13 ツッコミ
愛のないツッコミは 人を傷つけます
愛のないツッコミから生まれる笑いは 嘲笑です
愛のないツッコミは 人を救いません
愛のないツッコミは ツッコミではありません
「ツッコミ」とは 愛なのです
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14 拾ってみよう
だれにも拾われず
こぼれ落ちてしまっている
たくさんの「ボケ」を拾ってみよう
優しさという名の「ツッコミ」で
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15 相方
誰よりも
相方を笑わせたい
そう思う時がある
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16 静と動
漫才師なら
ほとんど動くことなく
ただマイクに向かってひたすらしゃべる
そんなネタを2,3本は持っていたいものだ
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17 動と静
舞台いっぱいに動き回り
最後になってやっとマイクの前に帰ってくる
そんな漫才もたまにはいい
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18 疲れをとるために
疲れをとるために
ゆっくりと
少し長目の
漫才を見る
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19 無限
漫才は無限である
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20 限界にも限界がある
それが本当に自分の限界であるなら
わきまえるべきである
そうすれば新しい道が見えてくる
それが本当は自分の限界でないのなら
取り組むべきである
そうすれば新しい道が開かれる
限界にも限界があるということを
決して忘れてはならない
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21「うまい」と「おもしろい」
うまいけどおもしろくない漫才もあれば
おもしろいけどうまくない漫才もある
うまくておもしろい漫才が見たいと思うのは
贅沢なことなのだろうか
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22 逆説
格好を付けている漫才師は格好悪く
格好を付けていない漫才師は格好いい
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23 笑いの計算
笑いを計算しようとすると
魂が欠けてしまうことがある
頭以上に 心を使おう
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24 しっぺ返し
手を抜いて
取れた笑いに
笑われる
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25 すべる
すべることをおそれることは
すべることよりもおそろしい
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26 無心
無心でする漫才が 一番おもしろい
無心で漫才をするには 練習あるのみ
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27 人のせい
今日は客が悪かった
人のせいにしたその日から
何かを見失う
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28 思い出し笑い
疲れたとき
つらいとき
がっかりしたとき
大好きなあの漫才を思い出し
少し笑ってみよう
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29 ありのまま
ありのままが
一番 美しく
一番 かっこよく
一番 おもしろい
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30 演じる
演じているようで 演じていない
演じていないようで 演じている
それが漫才というものなんだろう
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31 創造
人は「0(ゼロ)」から
何かを造り出すことはできない
もしも「新しい漫才」を
造り出すことができたとするなら
それは
過去の漫才を「自分らしく解釈できた」
ということなのかもしれない
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32 壁
どうしても乗り越えられない壁がある
今はとりあえず この壁の前で
ネタ合わせをしてみよう
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33 笑いと感動
笑いと感動は裏表ではないが
笑わせようとすると感動してもらえず
感動させようとすると笑ってもらえない
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34 心
心のない笑いは 一瞬で消えて無くなり
心のある笑いは 後からじわ〜と効いてくる
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35 漫才の音
音だけでもおもしろい漫才は
本当におもしろい漫才だ
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36 未完成
真の漫才師は
作品名:【詩集】漫才の音で目覚めた朝は 作家名:藤澤俊輔