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『愛情物語』 ノクターン第2番 op.9-2 (ショパン)

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 山梨県警に戻ってから村田刑事は、直属上司である池田署刑事課課長に、産科医刺殺犯人を確認したことの電話を入れた。
『そうか、これでひとつ解決したわけやな、ご苦労さん。どうなることやと思ったけど、短期間に片が付いて助かったわ。すまんがな、はよ帰って来てくれるか。事件が立て込んでるんや。今日、管内でのひったくりで重傷者が出たんやが、犯人は逃げてる最中や。どうも常習犯らしいて、こいつを追ってるとこでな。
 今年こそは大阪名物、[全国ひったくりワーストワン]を返上せんならん。署長が意気込んでるよってな。他にもあるし、待ってるで』

 帰りの車中で村田刑事は、大迫希と高科冴子との会話や表情を思い起こしていた。
 何かを隠していることを確信したが、簡単な家捜しをしただけで深くは介入しなかった。

 指紋確認の上で犯人と断定できたし、自供まで得たんやから、この事件の捜査はこれで打ち切ったらええ。
 そやけど、大迫希は高科保の元から、何らかの書類を持ち出したはずやと思うんやが。おそらくは、継続研究してたとかいうレポート。殺されるまで継続してたんやから、新しい用紙に記入した記録があって、しかるべきや。それが見つからんかった。
 やっぱり、クローンに関する研究やろか。
 ひょっとしたら、高科冴子は大迫希のクローン? いや、それはおかしい。ふたりが、誰かのクローン。それやったらつじつまは合いそうやが・・・フッ、何を妄想にふけっとるんや。
 さ、帰ったらまた仕事が追いかけてきよる。ちょっとは、眠っとくとするか。