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『愛情物語』 ノクターン第2番 op.9-2 (ショパン)

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 8人が集まった捜査会議では、捜査事項の確認と報告が順次なされていった。
 DNA鑑定結果は、思ってもみない展開をもたらした。
「ナイフに付着してた血液は、2種類でした。害者のもんと、おそらくはホシのもんなんですけど」
 捜査研の係官は言い淀んだ。
「どないしたんや、かまへんゆうてみぃ」
「高科冴子のDNAと一致しました。それと、高科保と冴子とは、血縁関係は全くありません」
「なんやて!」と会議室は騒然とした。

「高科君子は後妻や、ゆうてたが、ほんなら冴子は保の実の娘やない、ちゅうんか。そんな話は全く出んかったが」
「冴子も母親も、全く知らんことやったんちゃいますか。そんなことより、冴子がホシやったとしたら、全くの役者でんな」
 森主任の言葉に、村田刑事が返した。そして続けた。
「早速、パクりますか」
「いや、待て。もし高科冴子がやったとして、つじつまの合わんことが多すぎる。まずはもっと情報を得てからや。DNA鑑定も、100パーセント信頼できるもんやないからな。もうこれ以上、警察の失態は許されん」
と言って、西村係長はぐるりと一同を見渡した。

「村田はんは所轄で地取り(周辺の聞き込み)と冴子に関することの調べ、出生も含めてな、頼むわ。あ、それから、生みの母親のことも調べといてくれるか」
「分かりました!」
「森君は、山梨の方急がしてくれ。場合によったら、行ってもらうさかい」
 西村係長は肘を机に置き、組んだ手を額に当ててうつむいた。
 捜査員たちは急いで机の上の書類をまとめると、部屋を駆けるようにして出て行った。