コメディ・ラブ
参った
「いやあ、、参ったなぁ」
俺は寝がえりを打つ
「いい男は罪だな」
俺はまた寝がえりを打つ
「美香が俺のこと好きだったなんて、参ったな」
俺はまた寝がえりを打つ。
「けどな美香、悪いが俺はAランクの女しか相手にしないんだよ」
俺はそう呟くと起き上がる。
「本当にまいっちゃったなぁ〜」
「参った。」
私はなかなか眠れなかった。
勘違いするなって言ったのに、あいつはずっと俺を好きに違いないと言っていた。
あいつは、なんであんなに自信過剰なんだろう。
「だが残念だったな。俺が相手にすんのはAランクの女のみ」
あいつの言葉が思い出される。
「……そんなこと知ってるよ。バーカ」
今更だけど、力なく言い返してみる。
「知ってる、わかってるんだけどさ……」
涙があふれ出してきて止まらない。
今夜だけ思いっきり泣こう。
もうロケも後5日で終わるはずだから
気持ちを知ってしまった以上、きっともう学校には来ないだろう。
二度とあいつと会うことないかもしれない。
……悲しいけれど、これでいいんだ。
私は必死に自分に言い聞かせた。
作品名:コメディ・ラブ 作家名:sakurasakuko