コメディ・ラブ
変化
カレンダーをチェックする。
6月25日を×でつける。
あと5日……
こんな村でも一ヶ月もいれば情も沸いてくる。
「俺様って優しいな。ツイッターに書こうかな」
そう呟いてみたが、何故だか空しかった。
ここ2,3日小学校へは行けずにいた。
今日こそは行ってみよう。
愛しのかぼちゃちゃんが待ってるし。
俺はロケが終わった後、いつも通り校門の所まで来た。
中に入ろうとしたが、足が止まった。
「……嘘。優海わかるもん。かぼちゃじゃなくて、いつも美香先生に会いにいってる」
思わず優海ちゃんに言われた言葉を思い出した。
「……そんなわけないだろう」
そうは言ってはみたものの校門の前で足が止まったままだった。
中を覗くとあいつが草取りをしていた。
30分ほど俺は校門にもたれかかり携帯をいじっていた。
けれどもあいつは一向に帰ろうとしない。
よく見ると、もう雑草はもうない。
けれども美香はずっと鎌で雑草をとるふりをしていた。
その時、俺はピンときた。
あいつ……俺のこと待ってるんだ。
やっぱりな。
俺は勢いよく校門を開け、中に入る。
「おい、美香、俺のこと待ってるのか?」
「うわっ!な、何いってんのよ」
美香は驚いて、尻餅をつきながら答えた。
「ようやくわかった。俺様はどんな女からも好かれてこまっちゃうよ」
美香はあっけにとられている。
「だから優海ちゃんも勘違いしちゃうんだな。」
美香の顔が曇るのがわかった。
「俺のこと好きなんだろう?絶対そうだ!」
「な、何言ってるのよ。ば、ばかじゃないの」
美香は鎌で草をとろうとして、肥料の袋に鎌を命中させた。
袋から肥料があふれ出てくる。
「だが残念だったな。俺が相手にすんのはAランクの女のみ」
俺は得意げに言う。
「……勘違いしないでよ」
美香は真顔で答えた。
作品名:コメディ・ラブ 作家名:sakurasakuko