草薙教授の人間学講座
「いっそ、弁護士も公務員にしちゃったらいいんじゃないですか?
そしたら、儲け主義には走らなくなるんじゃないかなぁ」
「けど、そんな事したら、サボるんじゃない?
弁護士は民間 検事は公務員って構図が
お互いいがみ合う原点なんじゃない?」
「それ、寒すぎる
けど、基本的に公務員の数が多すぎるんじゃないかなぁ
特に、国会議員とか
余計な建物とか建てて、いい車買ったりとか
全部税金だって事、完全に忘れてるよなー」
「あっ、それ判る
結局、日本経済を破綻に導いてるのって、国会議員なんじゃない?
中継なんて見てても、足の引っ張り合いで
小学生の喧嘩レベルな気がする時があるもん」
「国会中継なんて見てんの?
あれすら税金の無駄に思えるなぁ」
「無駄って言ったら、自衛隊でしょ
陸上自衛隊はまだ判るんだよね
災害支援なんかもしてるし
けど、航空自衛隊って、日々いったい何やってんだろうね
敷地にゴルフ場作ったりして
戦争なんてしないくせに、なんで戦闘機なんて要るんだか
なんか、馬鹿高いステルス機なんて欲しがったりも
するらしいよ
いったい何に使うんだか」
「それを言うなら、防衛大学も異常でしょ
教育受けて、給料まで貰ってるんだから
教育費が、100歩譲ってタダだとしても、給料払う必要
無いでしょー
実戦がある訳でも無く、単に訓練してるだけで
実際有事って事になったら、どうなるんだろうね」
「それって、結構勝手な言いぐさじゃない?
事実、もし戦争なんて事になったら、最前線に行くのって
自衛隊の人たちでしょ?
戦えようが、戦えまいが、そうなるんだから
優遇されててもいいと思うよ
どうせ戦いに行く気なんて無いんでしょ?」
「バレたか・・・
けど、日本が参戦なんてするか?
きっと憲法9条を盾にして、参戦はしないと思うよ
基本的に戦争しないって言うんなら、非武装でいいんだから
武器なんて必要無いっしょ」
「いや、必要最低限は必要なんじゃない?
ミサイルの迎撃はしないといけないだろうし
偵察とか、物資の運搬とか」
「てかさー
やっぱ、自衛隊も国会議員も規模縮小すべきだよ
無駄無駄
国家公務員ってのは、給料削減されても
何らか手当をつけたり言い訳を考えて
自分たちの手元に来る金は減らす気無いし
国民に奉仕するって立場を忘れてると思うね
俺たちに奉仕しろーなんて、声を張り上げる気は無いけど
最低限、公僕って立場はわきまえて欲しいね」
「皆さん、議論が白熱してますね
けれど何より今話してくれていた人たちが皆まだ学生で
税金をがっつり払って無いのに
身につまされた話をしているところが面白い」
「けど、年金は払ってますよ
バイト代でー」
「白石くん、偉いですね
国民年金を自分のバイト代で払ってるんですか?」
「うち、母子家庭で厳しいもので」
「それはたいしたものだ
感心しました
それにしても、微妙な問題を打ち出してくれましたね
出来る事なら、諸君の議論のみで終始したいところですが
そんな事をすると、私が給料を無駄に支払われていると
言われそうなので、そうもいかないですね」
作品名:草薙教授の人間学講座 作家名:fool