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草薙教授の人間学講座

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「人間、与えられる物は貰っとこう
タダだったら、使っておこう・・・って感じるものだと思いませんか?
例えば、君たちが就職して社宅や寮に入ったとする
そこでは、そうですね・・・家賃3万円で光熱費込みだとしたら
真夏はクーラーをつけっぱなしで寝て、冬も寒さをエアコンでしのぎ
電気やテレビもつけっぱなし・・・っていう事になると思いませんか?

世の中、省エネだと言ってハイブリッド車にに乗り、節電だと言って
こまめに電気を消す
結局それは、自分たちの生活の上での節約であって、けれど
無料で与えられるとなったら、使わなければ損だとでも言うように
節約なんて考えない

これは、本末転倒だとは思いませんか?

本当に世の中の事や、これからの事を考えているならば、どんな環境で
あっても節約すべきなんです

給料や、支給さえる手当なんかもそうですね
貰えるものは貰わないと損だ
そう考えるのが普通です

私はとある地方自治体のプロジェクトに関わった事がありました
それは、約1億の資金で一年間運営され、その後はその一年間の経緯を見て
存続を検討する筈でした
けれど、私はそれが存続すべきものだとは思えませんでした
私自身も、その地域に住む者として、自分が払った税金の中の1億という
金額が、あのような事に使われる事に大きな疑問を抱きました

けれど、その疑問を口にした時に、嘱託扱いでそこに雇われた年配の男性が
『ここが無くなったら、その分の給料が入らない』
そう答えたのです

これには、私は軽い衝撃を受けました
こんな小さな場所で、大した収入にもならないくだらない仕事でさえ
少しでもお金が入るなら、貰っておきたい
存続する限りは、給料が入るのだから、無駄であろうと続けて貰いたい

そんな風に考える人が、その少人数の職場ですら殆どだったのです
税金を支払うだけの立場だったとしたら、きっと閉鎖しろと叫ぶ人たちが
税金から給料を貰う立場になった途端、続けて貰わないと困ると言い出す
極端な話、搾取される側と、搾取する側が単純に入れ替わったとしても
それぞれが言う言葉は変わらないという事なのです
































臣醁
作品名:草薙教授の人間学講座 作家名:fool