「舞台裏の仲間たち」 55~56
アイラブ桐生Ⅲ・「舞台裏の仲間たち」(56)
第二幕・第二章 「寧夏路の夜」
「へぇ~、演劇の脚本を書いているなんて、
人は見かけによらないね」
「どんな風に見えたの、貞園には」
「最初空港で見た時は、歳の若いただのエコノミックアニマル。
で、最初の晩には酔っ払いすぎて、
無心に私のむしる北京ダックに食いついていた時は、
ただの空腹の子供だった。
でも2日目の夜になっても、同じベッドに寝ているというのに
手も出さないあなたをみて、
もしかしたら、性的に不能なのかと怪しんでみた。
でもね、わたしが一番感心したのは、
ローマの休日の話だった」
作品名:「舞台裏の仲間たち」 55~56 作家名:落合順平