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移ろいの中でⅡ 12月12日 廃棄物と金になる農業 追加

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落葉

秋の日のヰ゛オロンのためいきの
身にしみてひたぶるにうら悲し。
 
鐘のおとに胸ふたぎ色かへて涙ぐむ
過ぎし日のおもひでや。

げにわれはうらぶれてここかしこ
さだめなくとび散らふ落葉かな。 -- 上田敏訳「落葉」

今振り返れば高校生の時 ヴェルレーヌ詩集という言葉の響きに憧れ
この本を購入し、ただ考えもせず読んだことを思い出す。

この訳された詩を改めて読むと当時読んだものと随分感じ方も変わる。
街路樹の落葉を見てこんな詩が書ける感受性に感心させられ、
その落ち葉はクヌギやサクラではなくプラタナスだろうか
鐘はボーンと響く日本の梵鐘ではなくパリのカテドラルにある
カンパネッラの鐘だろうし、ヴィオロンが身にしみるように聞こえるには引き手は随分稽古しないといけないであろう。 それが乾いた冷たい風に舞う季節はこことは光も随分違うであろうなどと想像を膨らますことも出来る。

いずれにせよわが人生もこの落葉のようにそして葉っぱのフレディーのように
確実に落ちて歩道を舞うのはそう長い先ではない
風のない日、はらっと舞い落ちそして誰かに踏まれカシャと乾いた音を立て
冷たい風に粉となって舞うだろう
秋の日にふとそんな落葉を思い出す。