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移ろいの中でⅡ 12月12日 廃棄物と金になる農業 追加

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無言の客

あるお昼時、私は小さなカフェに入ると窓際の席に座りランチを頼んだ。出されたお水を口に運び先客の女性たちがおしゃべりしながら楽しげにランチを楽しんでいるのを何気なく眺めていた時4人の家族と思しきお客が隣の席に着く。見るとも気にするとも無くその客に目をやると、子供達は着席するなりスマフォを一心に眺めなにやら指で操作し話の一つも無いのに気がつく。
「なんだか変な客だな」と感じつつ私は出された料理を食していたが、異様な雰囲気が隣から伝わってくる。母親らしい人が「これでいいね」とメニューを三人に出すとそれをチラッと見て三人共がものも言わずただうなずくだけ。母親は係りを呼び注文すると自分もバックからスマートフォンを取り出し三人と同じように画面を見、会話どころか言葉一つ無い、お通夜のようだが暗くは無いなんとも変な空気だけが漂っていた。
その空気が漂う中で食べる食事が美味しいとは思えず、私は直ぐに退散した。

私が自分の恋人とデートでカフェに行った時、顔も見ず話もしない女性だったら私はそのまま帰る。
いくら身体の相性が良くてもそんなのは論外、ましてや結婚して子供を持つと考えるとおぞましくなる。そんな相手は御免被りたいし、願わくば電源を切ってもらいたい。

あのね、人間、画面より大事なもの、そこにあるんでないかい!??