赤い日記帳
3月12日、晴れ。
自分の存在が矮小に感じるとか、当然のことだ。
遠くにある、大きなものが近くに見える。
その素晴らしいものが、自分の中にあるように錯覚して、安心して、手放したくないから、近づこうとする。掴んで離さずにおこうとする。
そして気づく。この手には何もない。不自由もない。
なんで歌を聴くのかって?
問わず語りか、自問自答か、時間ばかり過ぎていく。情けない。
それでもと言う。適当なままでもいい。最低なやつでもいい。
迷ったままでいい。不安なままでいい。生き延びて。と言う。
生き抜いてと言う。大丈夫と言う。頑張れとは言わない。でもそう歌っていると思う。私はそう聞こえると思う。聴きたいと思う。頭がさがる。
どうだっていい。理由なんか、あってもなくても同じだった。
ただ聴きたいと思う。ずっと、この魔法にだけ騙されてきた。
騙されていると思って、ついてきた。
それだけでいい。
今は、それだけでいい。