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「舞台裏の仲間たち」 53~54

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アイラブ桐生Ⅲ・「舞台裏の仲間たち」(54)
第二幕・第二章 「台湾の従軍慰安婦」

 
 台湾で日本軍が、「従軍慰安婦」たちを調達をしたという事実が
明るみに出たのは1992年のことでした。
慰安婦の50名をボルネオに送るので、その渡航を許可してほしいという、
台湾軍司令部から陸軍省に宛てた電報が防衛庁の図書館で
発見されたことから、その真相が明るみに出ました。


 戦場で兵士の性欲処理をさせるために、
台湾から連れて行かれた女性は、台湾当局の調査でも
およそ1200名から2000名にのぼるだろうといわれています。

 日本軍の従軍慰安婦制度の特異な点は、
軍組織自らが民間業者に対し、特定の地域に売春婦を集めてくるように
要望を出した点にあります。
戦争時に軍隊と一緒に慰安婦を伴ったり、戦地で風俗嬢達が商売したのは、
大東亜戦争にはじまったことではありません。
戦国時代においてすでに『御陣女郎』や『比丘尼』という名称で
軍隊を相手にした娼婦たちが存在をしていました。


 豊臣秀吉による小田原城の戦いでは、
豊臣方、北条方共に娼婦を呼んで遊んでいたと『北条五代記』にも
記されています。
大東亜戦争における従軍慰安婦の派遣のきっかけは、日本軍による
中国での乱暴行為(強姦等)がひどくなったため、
彼らの性的鬱憤の解消をはかるために日本国内の風俗嬢達が
派遣をされたことから始まりました。


 しかし戦争が拡大していくと、
日本国内の風俗嬢だけでは間に合わなくなってきたため、
朝鮮のみならず、フィリピンなどからも慰安婦を調達して戦地へと送り込みまます。
このことが戦後から数十年たった今、あらためて発覚し、
大きな国際間の問題として浮上してきました。

 第二次大戦中、日本の植民地であった台湾からは
多くの男性たちが、日本軍の兵士や軍属として徴集をされました。
同時に女性たちも「看護」や「炊事」「工場での作業」などの名目で軍や
警察によって召集をされています。
当時の台湾の人々にとっては、日本軍や警察にさからうことは、
生きる道を絶たれるにもひとしい状態といえました。

 海外では海南島、フィリピン、中国、インドネシア、ビルマなどへ、
台湾内では、各地にあった軍港や軍需工場に隣接する施設に送られ、その多くの女性が
「慰安婦」として働かされています。
夫や婚約者が兵士として日本軍に徴用されている間に、
そうした被害にあったという女性たちもすくなくありません。
被害者のほとんどが、戦地からもどった夫にも事実を打ち明けることができず、
何十年間も秘密をかかえて暮らすことにもなります。