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シンクロニシティ

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――どうする……すでに支所への連絡が滞ったことで、要請を出さなくても、応援として職員が多分向かってきている。職員が到着して瓦礫を撤去する。刈谷はきっと見届ける。私が帰れと言えば、疑念が生まれる。万が一……加藤達哉が生きていた場合、私達の策略を刈谷に伝えた時、Rの管轄と私の計画が邪魔される可能性がある。けれど……鉄柵に刺さった春日の肉体に入っていた意識……すでに春日の意識は消滅したはず。春日でなければ加藤しか有り得ない。なら……意識のない加藤の肉体はある? ………わからない……理想は肉体が消滅してること。けれど……意識がなければ問題ないわ。ここは……やり通せる。そして、新天地へ向かうわ。



 未来への希望と策略の先に待つ、自分の新天地を夢見る桜。展開を整理した桜は、平静さを取り戻し、きな臭い館の前でたたずむ。



 その桜を森林に紛れて眺める鈴村の姿。意味の深そうな笑みと共に歯を見せながら、その二人の様子を確かめるように、深い森林に身を潜めた。

作品名:シンクロニシティ 作家名:ェゼ