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シンクロニシティ

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「それを造った人間は神の神?」



「ハハハ! 解釈次第だ! 俺は平和ならそれでいいゃ!」



「そうね!」



 刈谷は人工雷雨が上方に装備された地点は避け、ドームの壁である、海中にまで広がっている楕円形に加工され開放している境界をくぐり、市外へ飛び出した。

 ドームの境界線近くは居住禁止区域とされており、飛行するヘリコプターと平行にある海岸線は、津波を想定した造林と道路が続いていた。市外に出て感じるのは照り付ける日差し。ドーム内に比べて赤外線と紫外線の強い市外は豊かな暮らしと反比例するように心配も増していた。いずれ世の中全てがドームに包まれる事になるかと。そして、ドームに包まれなければ、暮らせない世界になるのかと。けれど人々は、今が平和に暮らせていることの満足に、その問題を考えてくれる、自分たち以上の考えが出来るANYに、大多数は危機感を感じなくなっていた。争いもなく、仕事にも就けられれば、人間にとって平穏と呼ばれていた。

 桜も平穏を感じていた。そして思っていた。今日再び二人で戻ってきたら、結婚記念日をすることを。

 桜は、刈谷の存在を感じられる時は、心を保っていられた。

作品名:シンクロニシティ 作家名:ェゼ