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夢幻

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俺は係員にパスを見せ、お化け屋敷の中に入った。

※画面、暗転

中は完全な暗闇で手を握っていなかったら大嘘とも離れてしまいそうだった。

【妖怪】「うらめしや〜」
【東風】「わぁああああーー」

かなり怖かった。

しかし、どんな時でも大嘘は俺の手を離さずギュッと握り続けた。
大嘘は全く怖くないらしく、一言も話さず平然と歩いて行く。

【東風】「わぁああああーー」

※画面、横ワイプ

這々の体でお化け屋敷を出た俺だったが、大嘘はやはりケロッとしていた。

全く怖くないのだろうか……?

$大嘘好感度=$大嘘好感度-1

#GOTO 分岐1_X

;=======================================================================
;分岐2_2/ジャンピングスターがいい
;=======================================================================

【東風】「ジャンピングスターがいい」
【大嘘】「……うん」

せっかく遊園地にきたんだから絶叫マシンに乗らないと。

※画面、横ワイプ

俺は係員にパスを見せ、ジャンピングスターに乗りこんだ。

※画面、切り替え

【東風】「スッキリした〜」
【大嘘】「……」

……もしかして気に入らなかったのかな?

【東風】「イヤだった?」

そうおれが聞くと大嘘は首を横に振った。

※大嘘、笑顔

【大嘘】「……楽しかった」
【大嘘】「高いところ好き」

なるほど、だから観覧車に乗りたかったのか。
悪いことをしたかな……。

#GOTO 分岐1_X

;=======================================================================
;分岐2_3/そうだね、観覧車乗ろう!
;=======================================================================

【東風】「そうだね、観覧車乗ろう!」
【大嘘】「……ありがとう」

※画面、横ワイプ

俺は係員にパスを見せ、カゴに乗りこむ。

※画面、切り替え

【大嘘】「楽しかった」

※大嘘、笑顔

一緒にいるだけで時々しか会話が無かったから正直不安だった。
それでも大嘘は楽しかったらしく、歩みは軽やかだった。

$大嘘好感度=$大嘘好感度+1

#GOTO 分岐1_X

;=======================================================================
;分岐2_X
;=======================================================================

【大嘘】「……疲れた」

近くにある椅子に一緒に座る。
ペタリと体にくっつく柔らかい感覚がどこか極楽のような地獄のような……。

ソフトクリームでも買ってやるか。

【東風】「ちょっと待っといてくれ」

そう言って俺は近くのソフトクリーム屋に行こうとして、

【???】「きゃぁああああーー」

※大嘘、通常

俺たちは顔を見合わせた。
何かが起こったようだった。

【東風】「場所は……?」
【大嘘】「メリーゴーランドの近くから聞こえた」

俺は大嘘の手を握り、駈け出した。

【東風】「行くぞっ!」
【大嘘】「……うん」

※画面、横ワイプ

俺たちはアトラクションの間を通り抜けてメリーゴーランドの前に来た。

――うっ。

なんとそこでは優男風の男が刃物を振り回していた。
小さな子供たちがまだ一杯周りにいた。

【東風】「危ないっ……!」

つい俺は叫び声を上げてしまった。
その瞬間、男はこっちを振り返るとニヤリと笑いこっちに向かってきた。

【東風】「おほおそっ……!」

俺は大嘘の前に出ようとするが間に合わない。
男は大嘘の腕を掴むと強引に引き寄せ、首にナイフを突きつけた。

■CG0001:人質に取られた大嘘

くそっ……!
藪を突いて蛇を出してしまった……。

ぼやいた所でこうなってしまうと手出し出来ない。

【男】「動くなよ!」
【男】「動いたらこいつがどうなるか分かってるだろうな!」
【大嘘】「……」

肝心の大嘘は動きもしない。

【警備員】「そこまでだ、君。早く人質を解放しなさい」

ようやく到着した警備員が男に呼びかける。

【男】「動くなっ!」
【男】「は、早く車を用意しろ!」

大嘘が人質に取られている以上、どうすることも出来ない。

大人しくするしか無いのか……?

#SEL 助けに行く:分岐3_1
#SEL 警備員が解決するのを待つ:分岐3_2

;=======================================================================
;分岐3_1/助けに行く
;=======================================================================

助けに行ってやるっ。

大嘘に目配せすると俺はダッシュした。
警備員の制止の声が聞こえる。
男がこっちを向く。

くそっ。間に合わない!

諦めかけたその時。
大嘘が目を瞑り、男の足を思いっ切り踏んづけた。

【男】「うっ……」
【大嘘】「……」

大嘘を押さえていたてが離れる。

※画面、通常
※大嘘、通常

そのチャンスを逃さず大嘘は男から離れた。

【男】「こ、こいつめっ!」

男はナイフを大嘘に向ける。
俺はその隙を付いて回転をかけつつ男のうでをつかむ。

【東風】「何っ!」
【東風】「おりゃぁああああああああっ……!!」

※画面、揺らす

俺は体を沈め、男を宙に浮かす。
次の瞬間、俺は男を地面に思い切り叩きつけた。

【東風】「ふう……」

男は地面に伸びて、ナイフも手から離れて地面を転がっていた。

【大嘘】「……ありがとう」

そう言って大嘘は俺の胸に頭を載せてきた。

※大嘘、笑顔

解決かな……。

$大嘘好感度=$大嘘好感度+1

#GOTO 分岐3_X

;=======================================================================
;分岐3_1/警備員が解決するのを待つ
;=======================================================================

駄目だ大嘘を傷つけるような事は出来ない。

※画面、通常

それからかなりの時間がたった。
ついに警察の突入が決行される事になった。
警官達が走っていく。
………
……

事件は無事に解決した。

※大嘘、登場
※大嘘、通常

【大嘘】「……バカ」

大嘘には一言だけそう言われた。

あれは仕方なかったんだ。

#GOTO 分岐3_X
作品名:夢幻 作家名:なお