夢幻
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;分岐3_X
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※画面、暗転
俺たちはあのあと来た警察に幾つか質問されたがすぐに解放された。
男は彼女に振られたショックであのような奇行に走ったらしい。
なんともしょうもない話である。
※画面、通常
事情聴取のせいで時間を取られたため、おそらく次が最後のアトラクションだろう。
【東風】「どれに乗りたい?」
そう聞くと空を見上げた彼女は大きく息を吸うとスッと一つの列を指さし、俺にこう言った。
【大嘘】「あれがいい」
指さした先の乗り場の看板に目をやった。
『地獄のジェットコースター 雷神風神』
こ、これは……。
【東風】「最近できたばかりのヤツか」
【東風】「かなりのスリルだって学校で噂になっていたよ」
【大嘘】「うん……?」
【大嘘】「とても怖いらしい」
その時、後ろから轟音が近づいてくる。
見ると真新しいレールを猛スピードでコースターが駆け抜けていった。
所詮ジェットコースターなんだから大丈夫……だよな?
#SEL 別のにしよう:分岐4_1
#SEL 一緒に乗ろっか:分岐4_2
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;分岐4_1/別のにしよう
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【東風】「別のにしよう」
俺はそう提案したのだが、
【大嘘】「イヤ」
拒否されてしまった。
【大嘘】「……怖いの?」
女の子にそんな事を言われてしまったら行くしか無いだろう。
俺たちは列に並んだ。
#GOTO 分岐4_X
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;分岐4_1/
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【東風】「一緒に乗ろっか」
【大嘘】「……嬉しい」
大嘘はそう言ってトコトコと一人、先に列に並びに行った。
$大嘘好感度=$大嘘好感度+1
#GOTO 分岐4_X
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;分岐4_X
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【東風】「……やっとここまで来たな」
【大嘘】「うん……」
かなり待った俺達はようやく乗り場にたどり着いた。
パスを係員に見せてジェットコースターに乗り込む。
【大嘘】「周り……」
俺は振り向いて後ろに並ぶ人たちを探す。
だが、そこには誰もいなかった。
どういうことなんだ!
慌ててさっきの係員を探すがそれすら見つからなかった。
そうこうしているうちにジェットコースターは動き始めてしまった。
【東風】「わ、う、動いた」
【大嘘】「……どうした。まずは上がるだけだ」
ジェットコースターは俺達二人を載せてカタコトと上昇していく。
すぐに頂点にたどり着き……。
少女はふと空を見上げた。
一瞬、彼女の背中に羽が生えたように見えた。
【東風】「うぉおおおおおぉっ……!!」
※画面、揺らす
一気に急降下を始める。
俺は思わず大嘘の方を見た。
彼女がスッと安全バーに触れるていた。
バーは音もなく開いた。
気づくと自分のバーも開いている。
【東風】「えっ……!?」
開くはずのないものが開いた。
先程の不信感が蘇ってくる。
コースターはループに突入し、俺は必死に座席にしがみつく。
※画面、揺らす
【東風】「ちょ、ちょっと……!?」
声をかける間もなかった。
彼女は吸い込まれるように、コースターの外に飛び出した……。
このままでは……。
#SEL 必死に座席にしがみつき続けた。:分岐4_1
#SEL 夢中で彼女の体を掴んだ。:分岐4_2
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;分岐4_1/必死に座席にしがみつき続けた。
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俺は必死に座席にしがみつき続けた。
彼女を見る余裕はその時の俺には無かった。
ふと俺は気を失った。
※画面、暗転
#IF$大嘘好感度=4
【大嘘】「さようなら」
#ENDIF
#GOTO 分岐1_X
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;分岐4_1/夢中で彼女の体を掴んだ。
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夢中で彼女の体を掴んだ。
急上昇していく。
パッと開けた場所に出た。
■BG0004:空の上
ここは……?
気がつくと俺は雲の上に立っていた。
目の前には大嘘が……。
「お前、その羽根……?」
大嘘はふと笑った。
ここで伝えないと跡がない。
そんな気がした。
#IF$大嘘好感度=4
俺は決心した。
【東風】「最初に出会った時の返事、……今から変えられないかな?」
■CG0002:告白
【大嘘】「え……?」
【東風】「俺は今、大嘘が好きだ。」
【東風】「大嘘が何者だったていい。好きだ」
【大嘘】「東風……。そんな……」
大嘘の漆黒の片目から一滴の涙がこぶれる。
【大嘘】「嬉しい……。……っ、私も……好きだ」
更に涙が溢れる。
【大嘘】「けど……ごめんなさい」
【東風】「何言って……」
【大嘘】「時間が、私にはもう時間がないの」
【東風】「どういうこと……」
俺は聞き返すことが出来なかった。
ふと俺は気を失った。
※画面、暗転
【大嘘】「さようなら」
#ELSE
しかし、俺はどうしても伝えることが出来なかった。
俺は大嘘を短い間だが大切にできたのだろうか?
その事が引っかかった。
【大嘘】「……」
大嘘は悲しそうに笑った。
ふと俺は気を失った。
※画面、暗転
【大嘘】「さようなら」
#ENDIF
#GOTO 分岐1_X