夢幻
;=======================================================================
;夢幻
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※画面、黒
俺は忘れられない奇妙な経験を高校生のときにした。
それはある秋の朝早くのことだった。
■BG0001:公園
俺は公園のベンチに腰掛け、ぼんやりと空を眺めていた。
手に持った『不採用』と書かれた採否通知書を握りつぶした。
………
……
…
ガサゴソ
?
ガサゴソ
忙しないおとが俺の耳に入る。
見ると、汚いカラスがベンチの脇のゴミ箱を荒らしていた。
あいつも俺と同じなのかな……。
そんなことを考えてしまう自分に呆れた。
しかし、カラスを眺める事は止めなかった。
だれかが誰かが捨てていった弁当の残りをついばんでいるのだ。
そこまで見た所で俺はなんだか悲しくなり、カラスをみる事を止めた。
※画面、暗転
遠くからパンパンと言うポップコーンが弾けるような音がする。
段々、音が鮮明になる。
子供たちの嬌声が聞こえる。
その時、カーというカラスの鋭い鳴き声で俺は現実に引き戻された。
※画面、通常
目を開けると、ガヤガヤと少年の一団が、カラスをエアガンで狙い撃ちにしていた。
カラスは弾がが目にあたっているのか、飛ぶことも出来ず羽で地面の砂を巻き上げ、じたばたしている。
さっきまで同類意識のようなものを持った対象の悲劇に俺は、腹立ちを覚えた。
どうするべきか……?
#SEL 子供をたしなめ、カラスを助けてやることにした。:分岐1_1
#SEL 無視して再び目をつむった。:分岐1_2
;=======================================================================
;分岐1_1/子供をたしなめ、カラスを助けてやることにした。
;=======================================================================
苛立つ心を抑え、椅子から立ち上がった。
世の中、弱いものは淘汰されるのだ
しかし、それを目の前でされて許せるわけがない
そしておもむろに子供に近づいた。
#GOTO 分岐1_X
;=======================================================================
;分岐1_2/無視して再び目をつむった。
;=======================================================================
世の中、弱いものは淘汰されるのだ
その事実を再確認させることには目をつむる事にした。
※画面、暗転
カラスの悲鳴が聞こえる。
俺は奇妙な虚無感に包まれた。
すると先ほどの怒りが蘇ってきた。
……
…
気がつくと俺は子供たちに近づいていた。
$大嘘好感度=$大嘘好感度+1
#GOTO 分岐1_X
;=======================================================================
;分岐1_X
;=======================================================================
【東風】「こらこら、君たち……」
注意を言いかけた所で、子供たちは俺の存在に気付いたのか走り去っていった。
そんなことなら初めからしなかったらいいのに。
そうは思うが子供だからな。
【東風】「君には名前があるのかい?」
【東風】「俺は東風と書いてこちって読むんだ」
【東風】「変な名前だろう」
カラスに話しかける大人。
傍から見たらシュールな光景なんだろう。
【東風】「もう大丈夫だ。君も早く家に帰りなさい」
しかし、カラスは理解したのかカーとひと鳴きすると飛び立っていった。
俺も家に帰るか。
※画面、横ワイプ
■BG0002:道
俺は家の近くまで来ていた。
ふと家の方を見ると俺の家の前に少女が立っていた。
少女と言っても一つ下ぐらいだろうか。
※大嘘、登場
※大嘘、通常
その少女は眼帯をしていた。
【東風】「君、こんなところで何をしているんだい?」
少女は返事をしなかった。
隠れていないもう一方の漆黒の目をこっちに向けた。
しばしの沈黙。
【少女 ※大嘘】「この家はあなたの家か?」
【東風】「えっ……そ、そうだけど」
突然の発言に俺はびっくりした。
【東風】「君は一体誰なんだ?」
【少女 ※大嘘】「私か? 私はおほおそという」
その瞳が再び俺を見つめる。
ふと少女は口を開いた。
【大嘘】「好きだ」
【東風】「えっ……?」
突然の告白。
家計を少しでも助けるためにバイトを続ける日々。
青春を諦めた自分には無縁だと思っていた。
初めて見る少女に告白された。
イタズラか?
そうは思うが、そうではない強い意思を感じる。
初対面なのに初対面じゃないような……。
でも……。
【東風】「ごめん。急には付き合えないよ」
【東風】「でも……。どうして俺なんだい」
【大嘘】「そう……」
【大嘘】「じゃあ……」
【大嘘】「遊園地……に遊びに行きたい」
突然の誘い。
しかし、少女の一言には有無を言わせない不思議な力を感じた。
※画面、横ワイプ
■BG0003:遊園地
――数時間後、俺達は郊外の遊園地にいた。
【受付嬢】「いらっしゃいませ〜。お二人様ですか?」
【東風】「あ、はい。……半日パスポートを」
チラッと大嘘の方を見た。
こいつ、一体何歳なんだ?
目を戻すと受付の女性が不思議そうにこっちを見ている。
【東風】「高校生二人で」
手頃な券の名前を言って、俺は代金を支払う。
【受付嬢】「どうぞ、お楽しみください」
受付の女性からパスポートとお釣りを受け取った。
【東風】「行こうか、おほおそ」
俺は大嘘の手を引き、遊園地の入場ゲートをくぐった。
【大嘘】「観覧車……乗りたいな」
どうしようか……
#SEL お化け屋敷のほうが面白いと思うよ:分岐2_1
#SEL ジャンピングスターがいい:分岐2_2
#SEL そうだね、観覧車乗ろう!:分岐2_3
;=======================================================================
;分岐2_1/お化け屋敷のほうが面白いと思うよ
;=======================================================================
【東風】「お化け屋敷のほうが面白いと思うよ」
【大嘘】「……ふむ」
やっぱり女の子と一緒に遊園地にきたんだからお化け屋敷に行かないとね。
※画面、横ワイプ
;夢幻
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※画面、黒
俺は忘れられない奇妙な経験を高校生のときにした。
それはある秋の朝早くのことだった。
■BG0001:公園
俺は公園のベンチに腰掛け、ぼんやりと空を眺めていた。
手に持った『不採用』と書かれた採否通知書を握りつぶした。
………
……
…
ガサゴソ
?
ガサゴソ
忙しないおとが俺の耳に入る。
見ると、汚いカラスがベンチの脇のゴミ箱を荒らしていた。
あいつも俺と同じなのかな……。
そんなことを考えてしまう自分に呆れた。
しかし、カラスを眺める事は止めなかった。
だれかが誰かが捨てていった弁当の残りをついばんでいるのだ。
そこまで見た所で俺はなんだか悲しくなり、カラスをみる事を止めた。
※画面、暗転
遠くからパンパンと言うポップコーンが弾けるような音がする。
段々、音が鮮明になる。
子供たちの嬌声が聞こえる。
その時、カーというカラスの鋭い鳴き声で俺は現実に引き戻された。
※画面、通常
目を開けると、ガヤガヤと少年の一団が、カラスをエアガンで狙い撃ちにしていた。
カラスは弾がが目にあたっているのか、飛ぶことも出来ず羽で地面の砂を巻き上げ、じたばたしている。
さっきまで同類意識のようなものを持った対象の悲劇に俺は、腹立ちを覚えた。
どうするべきか……?
#SEL 子供をたしなめ、カラスを助けてやることにした。:分岐1_1
#SEL 無視して再び目をつむった。:分岐1_2
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;分岐1_1/子供をたしなめ、カラスを助けてやることにした。
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苛立つ心を抑え、椅子から立ち上がった。
世の中、弱いものは淘汰されるのだ
しかし、それを目の前でされて許せるわけがない
そしておもむろに子供に近づいた。
#GOTO 分岐1_X
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;分岐1_2/無視して再び目をつむった。
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世の中、弱いものは淘汰されるのだ
その事実を再確認させることには目をつむる事にした。
※画面、暗転
カラスの悲鳴が聞こえる。
俺は奇妙な虚無感に包まれた。
すると先ほどの怒りが蘇ってきた。
……
…
気がつくと俺は子供たちに近づいていた。
$大嘘好感度=$大嘘好感度+1
#GOTO 分岐1_X
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;分岐1_X
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【東風】「こらこら、君たち……」
注意を言いかけた所で、子供たちは俺の存在に気付いたのか走り去っていった。
そんなことなら初めからしなかったらいいのに。
そうは思うが子供だからな。
【東風】「君には名前があるのかい?」
【東風】「俺は東風と書いてこちって読むんだ」
【東風】「変な名前だろう」
カラスに話しかける大人。
傍から見たらシュールな光景なんだろう。
【東風】「もう大丈夫だ。君も早く家に帰りなさい」
しかし、カラスは理解したのかカーとひと鳴きすると飛び立っていった。
俺も家に帰るか。
※画面、横ワイプ
■BG0002:道
俺は家の近くまで来ていた。
ふと家の方を見ると俺の家の前に少女が立っていた。
少女と言っても一つ下ぐらいだろうか。
※大嘘、登場
※大嘘、通常
その少女は眼帯をしていた。
【東風】「君、こんなところで何をしているんだい?」
少女は返事をしなかった。
隠れていないもう一方の漆黒の目をこっちに向けた。
しばしの沈黙。
【少女 ※大嘘】「この家はあなたの家か?」
【東風】「えっ……そ、そうだけど」
突然の発言に俺はびっくりした。
【東風】「君は一体誰なんだ?」
【少女 ※大嘘】「私か? 私はおほおそという」
その瞳が再び俺を見つめる。
ふと少女は口を開いた。
【大嘘】「好きだ」
【東風】「えっ……?」
突然の告白。
家計を少しでも助けるためにバイトを続ける日々。
青春を諦めた自分には無縁だと思っていた。
初めて見る少女に告白された。
イタズラか?
そうは思うが、そうではない強い意思を感じる。
初対面なのに初対面じゃないような……。
でも……。
【東風】「ごめん。急には付き合えないよ」
【東風】「でも……。どうして俺なんだい」
【大嘘】「そう……」
【大嘘】「じゃあ……」
【大嘘】「遊園地……に遊びに行きたい」
突然の誘い。
しかし、少女の一言には有無を言わせない不思議な力を感じた。
※画面、横ワイプ
■BG0003:遊園地
――数時間後、俺達は郊外の遊園地にいた。
【受付嬢】「いらっしゃいませ〜。お二人様ですか?」
【東風】「あ、はい。……半日パスポートを」
チラッと大嘘の方を見た。
こいつ、一体何歳なんだ?
目を戻すと受付の女性が不思議そうにこっちを見ている。
【東風】「高校生二人で」
手頃な券の名前を言って、俺は代金を支払う。
【受付嬢】「どうぞ、お楽しみください」
受付の女性からパスポートとお釣りを受け取った。
【東風】「行こうか、おほおそ」
俺は大嘘の手を引き、遊園地の入場ゲートをくぐった。
【大嘘】「観覧車……乗りたいな」
どうしようか……
#SEL お化け屋敷のほうが面白いと思うよ:分岐2_1
#SEL ジャンピングスターがいい:分岐2_2
#SEL そうだね、観覧車乗ろう!:分岐2_3
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;分岐2_1/お化け屋敷のほうが面白いと思うよ
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【東風】「お化け屋敷のほうが面白いと思うよ」
【大嘘】「……ふむ」
やっぱり女の子と一緒に遊園地にきたんだからお化け屋敷に行かないとね。
※画面、横ワイプ