「舞台裏の仲間たち」 49~50
アイラブ桐生Ⅲ・「舞台裏の仲間たち」(50)
第二幕・第二章 「台湾のびんろう売り」
朝早くに亀田社長が部屋を訪ねてきました。
工場でトラブルが発生したために、今日の見学を中止にしてくれ
と言う申し入れでした。
日程なら後日にあらためてとるからと朝から恐縮しきりです・・・・
そんなことくらいなら電話で済むのにと言うと、いやこれを預かって
いてくれと大きな紙の包みを大事そうに置いて立ち去りかけました。
「もしかしたら、香港マフィアに狙われるような、やばい品物ですか」
と軽口を言うと「そんなものだから、大切に持っていてくれ」
と振り返ります。
作品名:「舞台裏の仲間たち」 49~50 作家名:落合順平