バレンタインと小さなさいふ
お土産 その後
成人した私はある日友人と友人の行きつけの居酒屋に飲みに行ったのです
そこ、私は始めての店でね
「こんばんは」と暖簾をくぐるとおかみさんが一人でやっていて
「いらっしゃい」といったあと、私を見て、少し間があって
「あなた○○君よね」というではないですか。初めて訪れたお店のおかみさんから突然名前を告げられるとそりゃ驚きます。
「はい・・・どうして名前を?」って答えるとニコニコしながら
「中学三年のとき、あなたクラブ活動の女の子にお土産買わなかった?」っていうわけです。こちらとしては遠い昔のちょっとした思い出程度でした。
「はあ??・・・買いましたけど」
なんでそんなこと知ってるのと不思議になりますよね。
「そのお土産渡したの○村っていう子だったでしょう」
?????なんで??とクエッチョンマークが飛び交うわけですよ
「あの子うちの娘なの」
「へ~~そうですが」
驚きましたよ。もう随分時間たってたんですよ、中学からですからね。
「あの時、娘が男の子からお土産貰ったっていうから、私、気になってどうしたらいいか学校の先生に相談にいったのよ」って今なら、なんでやねん!って突っ込みいれますけど。
だとするとY子さんも親に話したら怒られたのかもしれませんね。
「そんなもの貰って!返してきなさい」って・・・そうだったら悪かったなって今になって思います。
作品名:バレンタインと小さなさいふ 作家名:のすひろ