バレンタインと小さなさいふ
Y子さんも気になったのか気まずかったのか翌日やってきて「これ返そうか」って言うから、あなたにプレゼントしたから、いいよって断りましたよ、返されてもしかたないし。修学旅行はそのまま続き、無事帰った。私は別段気にもしなかったけど、まあ被害者意識?は少しあったな。まあ裏では色々言われてたんだろうな。
それから1,2ヶ月が経った頃かな、隣の席になったY子さんに「あのお財布使っている?」って聞くと
「うんん、使ってない」って言ってたのは覚えています。いつも返そうとを思って使わないのかなと思いましたがそれ以上は言いませんでした。
そうして翌年卒業間近の2月14日になるんですね、 ようやく来ました。
なんでか放課後教室に行った・・・呼ばれたのかな?なぜ教室へ行ったのか覚えていないです。そしたら机の下の物入れに箱があって、何だろうと開けると透明のプラスティック製でハートの形した、そうねえ15cmくらいの容器に赤や緑の鮮やかに包装されたアラカルトのチョコが入っていたんです。
ん??ってそれ見ていると・・・偶然?Y子さんが入っていて
「それあの時のお返し」って一言、そのケースに入ったチョコはY子さんからだったんですね。
作品名:バレンタインと小さなさいふ 作家名:のすひろ