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小さな、未来の魔法使い

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 ハシュオン卿は穏やかな笑みを浮かべて立ち上がった。
 父達の意外な言葉を聞いてエリスメアはどきりとした。いくら悪くはないとはいえ、相手は幽霊だ。不気味に思わないほうがおかしい。見上げると、母もまたあっけにとられているようだ。
「いいんですか、あなた?」
「大丈夫」
 父はライニィの肩を軽くたたいた。
「それよりむしろ、面白くなってきたじゃないか。ほらエリス、行くよ。怖がらなくても大丈夫、僕らが付いてる」
 父を先頭にしてハシュオン、母親と続いて階段に向かっていく。エリスメアはとまどったものの、けっきょく母の後について階段を上っていった。
「……部屋でお茶でもどうです?」
「ああ、ありがとう」
 先頭を行く二人はそんなのどかな会話をしている。一方エリスメアは――彼女の心臓は、ばくばくと音を立てて持ち主に伝えていた。