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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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落ちてきた将軍

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「はい」
「蘭よ、この仕事を最後に忍びは捨てるが良い。すでに時代は動いておる。好きにするが良いぞ」
「あり難きお言葉・・・・」
「あ・・・蘭ちゃん・・・違うのよ」
「えっ!?・・・姉上・・・契りは反故で・・・・ございますか?」
「違うの・・・あのね・・・私も・・・お江戸に連れて行って欲しいの」
「綾乃殿・・・それは歴史を狂わす事になるかも知れぬ事ぞ・・・」
「やはり・・・駄目ですか・・・・?」
「ワシも綾乃殿も違う時代で生きておるのじゃ・・・蘭とて同じこと。気持ちは判らぬでもないが、それは不味い」
「やはり・・・不味いですか・・・」
「うむ・・・不味い。この世で暮らすのが辛いのは分かる・・・綾乃殿も、伴侶を亡くし、さぞ辛いであろう・・・だが、江戸へは連れて行けぬ」
「やっぱり・・・・駄目ですか・・・」
「姉上・・・・・」
「良いのよ・・・蘭ちゃん・・・気にしないで・・・お殿様の言う事が正しいという事は分かっているから・・・それより・・・どうやって、お殿様をお江戸に戻すの?・・・あの術・・・何だったかしら・・・」
「召喚の術」
「そう・・・それ・・・龍を呼べそう?」
「実は・・・あの術は、もう使えないと感じておりました」
「やはり・・・無理?」
「いえ・・・今は違います」
「どういう事?」
「気が充実しております・・・この蘭・・・新たに見えたものがあります・・・龍を呼び出します」
「蘭・・・・本当か?」
「家慶様・・・蘭が未熟なばかりに申し訳ございませんでした・・・今、これからでも召喚の術・・・使いましょう」
「よし・・・ならば、やれ。あの博徒どもはワシがどうとでもする」
「はい。では・・・早速」
「蘭ちゃん・・・行くのね・・・龍を呼んで、お江戸に戻るのね」
「はい・・・姉上」
「蘭ちゃん・・・抱きしめさせて・・・」
作品名:落ちてきた将軍 作家名:つゆかわはじめ