小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

落ちてきた将軍

INDEX|62ページ/105ページ|

次のページ前のページ
 

 武士であり、江戸幕府の重鎮であり、そして、次期将軍様である・・・その重責は計り知れない。綾乃は、自分に出きる事なら、何でもしてやりたいと神妙な面持ちになった。
 綾乃は正直な女である。気持ちを許すと、何の疑いも無く、その心と体は走り出す。それほど、純粋なのだろう。綾乃は、家慶の名前を、そっと呼んだ。

「家慶様・・・・」

 腰を折り、少しだけ、前屈みになる。綾乃の頬に、赤みが差した。そして、呆れ顔で立ち上がると、ヤカンを手にして、がちゃがちゃと音を立てながら、水道の蛇口を捻った。

「・・・ったく・・・何が吉兆よ・・・バカ殿」

 家慶は、腕組みをしたまま、鼾を掻いていた。
作品名:落ちてきた将軍 作家名:つゆかわはじめ