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つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
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落ちてきた将軍

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「嫌か?」
「嫌に・・・決まってるわ!」
「ならば、いたしかたない・・・綾乃殿・・・飯じゃ。飯を頼む」
「このっ・・・このっ・・・うすら・・・」
「そうだ、これを進ぜよう」

 家慶は懐に手を入れると、涼しい顔で印籠を差し出した。初夏の庭草を吹き抜ける風の如く・・・である。たった今、伽をしろと言った事など忘れたかの様に爽やかだった。

「えっ!・・・それは、水戸黄門」
「水戸の黄門翁のではないよ・・・ワシの物だ」
「でも・・・それって、家宝では?」
「家宝ではある・・・だが、此処では通用しないのだろう。やるよ・・・先程、綺麗だと言っておったではないか」
「いいの?」
「武士に二言は無い」
「凄い・・・ありがとうごじゃりまする」
「綾乃殿」
「はい・・・殿様」
「飯を頼む」
「はい・・・畏まりました。」

 天保元年、一八二九年から二〇一〇年へ・・・龍と共に、時空を超えてやってきた家慶。
 そして、それを引き取ってしまった不幸な女、綾乃。はたして、家慶は江戸城に戻れるのか・・・。
 綾乃は、三度、不運なクジを引いてしまったのか・・・。二人の運命は・・・。
俄夫婦の暮らしが始まった。
作品名:落ちてきた将軍 作家名:つゆかわはじめ