落ちてきた将軍
「どうした・・・じゃなくてね・・・年末に、絡まれたんですよ・・・親分様の手下に・・・」
「何?」
「知らないの?・・・暴走族ですよ・・・絡まれて、博神会って言ってたわ・・・でも、お殿様がみんなやっつけちゃったけど」
「知らんぞ・・・おいっ!銀二・・・お前、知っているか!?」
「健二の指を飛ばしたヤツというのは・・・あのサムライの事か!?」
「あのリーダーは健二って言うの?・・・そうよ・・・お殿様が守ってくれたの・・・恨まれちゃ、困るんですけど・・・悪いのはあいつらなんですから・・・・」
「そうか・・・俺が知らない事とはいえ、下っ端が迷惑をかけたという事だな・・・銀二、判っているな!」
「へいっ・・・よ〜く言い聞かせておきます」
「そういう事だ・・・お嬢さん・・・二度と迷惑を掛けないように・・・この銀二が責任を持つ・・それで勘弁して欲しい」
「ええ・・・そう願うわ」
「何と言う店だ?」
「大橋のフラワーショップ・綾よ」
「そうか・・・今後、使わせて貰うよ」
「そ・・・それは・・・ご心配なく」
「いやいや・・・これも何かの縁だろう・・・俺が守ってやる」
余計な事よ、と言いたかった。ヤクザと関わりを持つとロクな事はないだろう。
「いやいや・・・気にするな・・・毎日、花を買わせにやるよ」
綾乃はゲンキンだ。頭の中で電卓をはじいてしまった自分が可笑しかった。
「そ・・・・そう?・・・まぁ、お客さんとしてなら構わないですけど・・」
「銀二、判ったな」
「へいっ・・・承知です」
「それにしても、凄いものを見せてもらったよ・・・久々に血が滾ったぜ・・・出来ることなら、この俺が龍を仕留めたかったけどなぁ・・・ハハハ」