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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
novelistID. 43462
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After Tragedy2~僕とキュオネの出会い~

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「だから、キュオネがレーニスとシーの間の子供だということは秘密にして欲しい。その事実には何の価値もないから。貴方は、話したくなってしまうかもしれないけれど、彼女のことは神界でも一部の人しか知らないから決して洩らさないで欲しい。」
 デメテルの厳しい言葉と裏腹に、キュオネは良かったねとでも言いたい様な穏やかな顔で僕を見ている。
「分かりました…。」
僕は観念をした。
「それで、もうこうなったらいいやって思うから提案をするけれども…。」
 デメテルは腕を組んで、僕を見据えて言った。
「ライのところにいるのが大変だというのならば、キュオネとキロのところに暮らしてみてはどうかしら。仕事は、そこから通えばいいと思うしね。」
 僕はキュオネと2人で何をいっているのだろうと言った顔でデメテルを見た。
「シーが生きていれば、ユクスは間違いなくシーの元で暮らせていたはず…。だから、ユクスさえ良ければ、キュオネと彼女の母親代わりであるキロの元で暮らしなさい。キロには私から交渉をするから。」
僕を14年間放置していたことに対する罪滅ぼしのつもりなのだろうか、デメテルはそう言うとキュオネにも大丈夫かと聞いた。キュオネは対して悩むことなく、『いいよ。』と答えた。僕もデメテルの好意を無駄にするのは悪いと思い承諾をした。
キュオネは僕に向き直ると手を僕の前に差し出し、明るく笑った。
「改めまして、キュオネ・ウインドスです。キュオネって呼んでね!」
「それじゃあ、僕もユクスで…。」
 僕らは握手を交わした。
今にして思えば、デメテルが僕をキュオネの元に住まわせたのはシーの母親…反逆者であったキロの恐ろしさを見せつけるためだった。この段階では、僕は全く信用をされていなかった。