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司令官は名古屋嬢 第5話 『なまりの中で』

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第2章 暴徒と化した群衆



「出てこいや!!!」
「いてもうたるぞ!!!」

 暴徒から発せられる関西弁による乱暴な言葉づかいに、上社と東山はビビった……。しかし、驚いている暇は無く、急いで車から出て、関西弁を喋る暴徒から逃げなければならなかった。
「早くしろよ!!!」
上社は東山を急かした。
「もうすぐだ!!!」
東山は、急いでシートベルトを切っていた。そして、彼は、なんとかシートベルトを外せた。

   ガシャン!!! ガシャン!!!

 だが、そのときには、暴徒が車を取り囲んでおり、暴徒は上社と東山がいるプリウスを凶器で破壊し始めていた……。暴徒による攻撃で、窓がさらにヒビ割れ、トヨタのエンブレムはへこんだ。破壊音と暴徒の声が車内に響き渡る。
「外に出たら撃ちまくれよ!!!」
「言われなくてもそうする!!!」
上社と東山は、同時にドアを勢いよく開けてドアの近くにいた暴徒を押しやり、急いで車外に出た。

   パンパンパーン!!! パンパンパーン!!!

 上社と東山は、暴徒に数発撃った。上社は3人撃ち殺せたが、東山は1人だけしか撃ち殺せなかった。暴徒たちは、悔しそうに後ずさりしたが、
「銃なら、ワテも持ってるで!!!」
暴徒のオッサンがドヤ顔で、汚らしいズボンのポケットから、リボルバー式の拳銃を取り出した……。その拳銃は、警察官が使う拳銃だった。壊滅状態の警察署か警察官から盗んだのだろう。
 暴徒から歓声が上がり、拳銃オッサンはその拳銃を上社に向けた。そして、

   パーン!!!

 1発撃つ……。だが、その銃弾は、上社を大きく外れ、彼の後ろにいた暴徒の1人に当たった……。誤射された暴徒は、胸を押さえながら死んだ。幸いなことに、拳銃オッサンに銃の腕前は無いようだ。
「なにやっとんねん!!!」
暴徒は、拳銃オッサンにツッコミを入れた……。
 そのスキに、上社と東山は、暴徒の数が少ない方向へと逃げ出した。それでも、邪魔な暴徒が何人かいたので、すぐに撃ち殺す。死んだ暴徒が持っていた鉄パイプなどが、アスファルトに落ちて鳴り響く。
「待たんかい!!!」
暴徒が上社たちを追いかける。拳銃オッサンは、拳銃を弾切れになるまで乱射したが、1発も上社に当たることはなく、看板を破壊するか、同じ暴徒を誤射した……。

 上社たちは、暴徒に向かって撃ちながら逃げ続けた。ただ、向こう側から、先回りか途中参加の暴徒が現れ、上社たちの逃げるスピードをダウンさせた。
「そりゃあ!!!」
物陰に隠れていた大阪のオバハンが、包丁で東山を切りつけようとした。突然、目の前に現れたオバハンの攻撃を、東山は避けられそうになかった……。