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司令官は名古屋嬢 第5話 『なまりの中で』

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「……オイ、なんだアレ?」

 なぜなら、上社たちの車と車列を、敵の1台の大型車両が追いかけてきたからだ……。その大型敵車両は、他の敵車両を押しのけるような感じで、敵車両たちの先頭に立った。
「あの車は、警察の護送バスだったんだな。大阪府警が使っていたのを盗んで、改造して使ってやがる」
東山の言うとおりで、その大型車両は、警察が使う護送バスを改造したものだった……。重機関銃などの武装は無かったが、バンパーがデコトラのようになっていたり、フロントガラスに鉄板が装着されていたりして、防御力と衝突力が強化されていた。ちなみに、大阪府警という文字は消されていた。

 上社と東山は、元護送バスに銃撃を喰らわせたが、厚い鉄板に跳ね返され、防弾ガラスにすら届いていないようだ。だんだん、元護送バスが接近してくる。
「このままだとヤバイな」
上社はそう呟くと、無線を使うことにした。
「どこと何を話すんだ?」
東山が、拳銃をリロードしながら尋ねる。
「確か今日は、無人戦闘機が奈良県を空爆する予定だったはずだ。支援してもらえるか試してみる」
上社は周波数を合わせると、さっそく無人戦闘機に無線通信を始めた。
「僕は上社少尉です」
『おお!!! 久しぶりですな!!!』
上社が喋った途端、無人戦闘機のコンピューターが応答した。この戦闘機は、元は『MIG−29』なのだが、コンピューターによる無人化がされている無人戦闘機だ。
「いきなりで悪いけど、支援してくれないかな?」
『了解です!!! 何をすればいいんですか?』
「僕たちを追いかけている連中をなんとかしてほしいんだけど?」
『了解です。そちらの現在位置を把握できましたので、これからすぐに向かいます!!!』
どうやら、無人戦闘機は、「敵が潜んでいると思われる施設」への空爆任務を後回しにして、上社たちの支援のために飛んできてくれるらしい。

   ガシャ−ン!!!

 無線通信が終わってすぐ、上社たちの車は元護送バスに追突された。軽い接触だったが、後ろのバンパーが壊れてしまった。
「こちらと敵との距離をうまく取れない?」
上社は八事に頼んだ。八事は黙ってうなずいた。

 すると、八事は急ブレーキをかけて、元護送バスの斜め後ろの位置についた。元護送バスや他の敵車両は、予想外の行動に戸惑っていた。上社と東山までも少し戸惑っていた……。
「タイヤとドアミラーを壊して」
八事は、ただそう呟いた。
「わかった」
上社と東山は、他の敵車両は無視して、元護送バスのタイヤとドアミラーを撃って破壊した。元護送バスは、タイヤのパンクによるアンバランス状態と、ドアミラーの破損による後方視界の減少により、うまく走行することができないようになった。そのため、元護送バスはスピードがダウンし、他の敵車両もつられてスピードがダウンしたその結果、上社たちの車が、敵車両たちの前に出て、こちらと敵との距離をうまく取ることができた。