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四神倶楽部物語

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 魔鈴は今回私の妹だと判明したわけですが、まあ、しっかりした女性です。私は頼もしくなってきました。そんな魔鈴に、「それって、どんな工夫ですか?」と悠太の問いがしつこいです。

「それはね、元首は地方自治体の長が立候補し、すべての星人の個人からの直接投票よ。そして任期は最大四年、これで絶対に交代してもらうの」と魔鈴が答えると、悠太はそれを理解し、「そら、天皇のような権威は得られないけど、よく工夫されてるよな。それと、実際の政治の動きはどうなってるの?」と次へと質問を飛ばします。

 それでも魔鈴は嫌な顔一つせず、丁寧に答えてくれます。
「日本の政治と基本的に大きく異なってる点は、政党がないの。私的な倶楽部はあっても、日本のような政党を結成することは禁じられてるわ。その代わりに、地方自治体単位で政策を立案できてね、その政策ごとに地方自治体の長の全員が投票して決めていくの。もちろんその長は住民からの直接投票で選ばれてるのよ」

 私はこの説明を聞いて、堪らず疑問をぶつけてみました。
「魔鈴、それだったら地方同志でケンカしたり、地方のエゴが出過ぎたりしないか? それに、将来を充分見据えることができず、現状容認だけの甘い政治になったりしないか?」

 魔鈴はそれは当然の心配事というような表情をし、「だからね、お兄さん、その危惧のようなことを防ぐために二つの仕組みが機能してるのよ。一つは、立法時に50年計画書が必要なの。またもう一つは、施行してから3年に一度、地方自治体の長全員による結果評価システムがあって、期待した効果が計画の6割に達していない場合はね、それは即廃案よ」とニコリと笑いました。

 私はまだその程度のことで、この星の未来は安泰とは思えず、「へえ、結構厳しいんだね。だけど、それでもエゴが続く場合があるだろ。そんな時はどうなるの?」と質問をぶつけました。
 だがこれに対して、魔鈴は戸惑いもなく言い放ったのです。
「だから私たちがいるのよ。緑星人でない、そう、四神民族の私たちが、そうなのよ、四神倶楽部がコントロールしてるの」

「えっ、コントロールって、武力でもってか?」
 私の胸の鼓動が急に速く打ち始めてます。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊