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四神倶楽部物語

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「そうね、お兄さん、必要ならね。それが私たち四神倶楽部の……、そう、覚悟でもあり、使命なのかも」
 こんな言葉を聞き、私たち四人はもう何も返せず、黙り込んでしまいました。

 そんな私たちを心配したのでしょうか、「お兄さん、武力行使は内向きだけじゃないわ。むしろ外向きに必要なのよ。今、土蜘蛛(つちぐも)星人が侵入してきてるわ。ヤツらはこのグリーンスターを乗っ取ろうとしてるのだけど、日本でも活動を活発化させてるようだから、お兄さんたちにも頑張って欲しいのよ」と魔鈴は励ましてくれたのです。

 私は土蜘蛛と聞いて震えがきました。なぜなら京都の土蜘蛛伝説を思い出したからです。

 平安時代、武将の源頼光(よりみつ)が北山の蓮台野(れんだいの)へと行った時、髑髏(しゃれこうべ)が空を飛ぶのを見ました。
 頼光はそれを追い掛けると古い屋敷に辿り着いたのです。そこでその夜宿泊すると、いろいろな魑(魅魍魎(ちみもうりょう)が現れ出てきました。
 さらに美女が現れ、妖術を掛けてきました。頼光は刀で斬り掛かると、女は消えて行きました。

 しかし、そこには白い血痕が残り、頼光はそれを辿って行きますと、山奥の洞窟に辿り着きました。そしてそこには、妖怪の大きな土蜘蛛がいたのです。

 頼光はこの土蜘蛛と戦い、殺してしまいました。するとその土蜘蛛の腹から1,990個の首が出てきました。また無数の子蜘蛛も出てきて、さらに20個の髑髏もあったのです。

 私がこんな伝説を、沈黙したまま頭の中で巡らせてますと、魔鈴が気遣ってか、「お兄さん、多分、京都の土蜘蛛のことを考えてるんでしょう。その通りよ、そいつが土蜘蛛星人の女王蜘蛛なのよ。そこで腹から出てきた子蜘蛛たちが、京都でずっと生き長らえてきて、今、新しい女王蜘蛛がその中から現れて、そいつが指揮して、悪さをするようになってきてるのよ」と声を掛けてきてくれました。

「えっ、そんなことになってんのかー」
 私はそうとしか返せませんでした。そしてミッキッコに佳那瑠、また悠太も、何かに迷っているようでした。私は、みんな仲間ですから、それが何なのか読み取れ、リーダーとして告げたのであります。
「なあ、みんな、魔鈴が昨日言ってくれただろ、帰る時に聞かせてもらったらいいからと。俺たちの四神倶楽部、これからどうして行くか、その結論はあとにしよう」


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊