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四神倶楽部物語

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 魔鈴のさらなるこの熱弁、私たち四人はまったく納得できるものであり面白かったです。
 だけどもう少し咀嚼(そしゃく)した形で、私は「そのインデペンデンスというのは、個々の自立ということ?」と質問しました。
「お兄さん、その通りよ。大きくはこの星自体、そこから始まって国や自治体、そして個々の人たちも、インデペンデンス。要は自立よ」

 その後、私はもう一つ確認しました。
「魔鈴が言った二つ目の方針、リコグニションていうのは結構難しいんだよなあ、日本語に訳せる言葉がないんだよ。魔鈴が言いたいリコグニションて、認知でもないし、見返りでもないし、そうだなあ、あえて漢字に変えて言えば、互いに認め尊ぶことで──尊認ってことかな?」と。

 魔鈴は兄貴のこのちょっと意外な解釈に、「尊認て、お兄さん、うまく訳してくれたわ、まったくその通りよ」と微笑み、「お互いに尊認し合う、それを緑星人たちが生きて行く上で、そう、森羅万象の軸に置いてね、社会を躍動させることが第一義なのよ」と、さらに理屈っぽく答えました。

 この展開に、ついに悠太が辛抱堪らなくなったのでしょう、「へえ、そうなんですか、だけど魔鈴さん、そのインデペンデンスとリコグニション、つまりその自立と尊認のために、四神倶楽部として、具体的にどういうサポートをしてるですか?」と話しに割り込んできました。それに対しも、魔鈴は動揺せず丁寧に。

「そうね、悠太さん、これはインデペンデンスの一つの例だけど、このグリーンスターでは50万人くらいを一つの自治体として、自立できるようにしてますわ。東京のような一局集中に絶対にならないように、地域のそれぞれの特性を活かし、そして伸ばすようにしてます。日本でもやっと今、地域の自立に目覚め始め、道州制を導入しようという動きもあるでしょ」と。

 これにミッキッコが少し熱くなり、「そうね、現状の日本は問題を多く抱えている。その諸悪の根源は東京一局集中だわ。もっと地域地域が自立でき、それぞれが賑(にぎ)わう国の形にしないとね」と自分の信じるところの発言がありました。
 私にはそれが思い掛けないことで、「えっ」と驚きましたが、彼女もちゃんと考えてるんだ、と一安心させてもらいました。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊