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四神倶楽部物語

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 一方魔鈴は魔鈴で、ここで助け船を見つけたのか、私を無視してミッキッコに可愛く会釈。そしてその後に返ってきた答えは、まことにアンビリーバボーなものでした。
「地球から20光年離れた所に、グリーズ581という太陽にそっくりな恒星があるのよ。その惑星の一つが──グリーンスターなのですよ」

 これにミッキッコは、私の許しも得ずに、「へえ、そうなの。それって、どんな星なの?」と、どんどん質問を飛ばして行きます。そして私にも沸々と興味がわいてきました。魔鈴はそんな私たちに真正面に向き直し、長い足をひょいと組み替えて、「グリーズ581が太陽なら、グリーンスターは地球みたいな星でね、人間と同じようなみどり星人が住んでるのよ」と実にミステリアスなことを。

「へえ、みどり星人がね、それホント?」と私は耳を疑いました。あとは「今までの話しからすると、俺の祖先は……、みどり星人ってことか」と独り言をブツブツと呟くだけでした。
「違うわ、お兄さん、私たちは650万年前に宇宙の彼方より旅してきた民族よ、そう、四神が祖先なの。一番最初に降臨したのが京都の鞍馬山で、この間、佳那瑠さんと悠太さんがその痕跡、つまり当時のUFOを確認されて来られたでしょ」

 そう言えば、いつぞや、フランス料理のセットランチを食べながら、悠太が話してたなあと思い出しました。「ああ、そのようだね」、私は一つコクリと頷き、今ここで妹と名乗り魔鈴と向き合って座ってるのは、これはひょっとしたら偶然ではなく、必然の為せる業(わざ)なのかも知れないなあ、と考え込んでしまいました。

 このように思い巡らす私の姿を見て、彼女の自信の証なのでしょうね、そうでしょと瞳をきらりと輝かせました。それからです、淀みなく、「六五〇万年前から年代が移り行く中で、私たちの祖先は鞍馬山からグリーンスターへと移り住みました。そして私たちはグリーンスターで生まれ、お兄さんは物心つく前に、地球に派遣されたのよ。そしてやっと時期となり、同朋のミッキッコさんに佳那瑠さん、そして悠太さんと知り合い、四神倶楽部を結成したのでしょ。それが天から与えられたお兄さんたちのデスティニーなのよ」と。

 私はこんな魔鈴からの講釈を聞いても、話しは大袈裟過ぎだし、所詮私たちの四神倶楽部は遊びの範囲内で、リーダーといっても役回りはアッシー、メッシー、ミツグ君です。
 魔鈴が語る内容は確かに熱い、しかし全貌がまだ見えません。だから私の応答は「うーん、まあな」と歯切れが悪いものでした。魔鈴はそんな私の思考を読み取ってか、これはちょっと手間がかかりそうという風な、少し困惑した表情になりました。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊