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四神倶楽部物語

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 沙羅こと、ミッキッコこと、風早美月子、この美しき女性と5月4日に、業務の一環的な初デート。そこで美月子は、私のことを……、私は聞き逃しませんでした。
 ミッキッコはこの一瞬の隙(すき)に、龍斗さんから龍斗に呼び捨てにしてくれました。
 これって、話しの内容は別として、思いませんか、絶対に急接近ですよね。私は正直嬉しかったです。

 だが話題は四神様たち。しかし神様が一つ足りません。そこで私は「なあ、ミッキッコ。玄武がいなんだけど、その子孫は誰なの?」と訊きました。
 私はこの質問に隠し味を。そう、それはお返しにと、ミッキッコちゃんからミッキッコに呼び変えたのです。まさに親愛度レベルアップの表現。
 もちろんミッキッコは、この変化に気付いたはずです。だって私の質問に対するミッキッコの答は、ふふふで始まりましたから。
「ふふふ……、それがね、まだ見付かっていないのよ。だから今、捜索中よ」ってね。

 そして私は、会話が流れるままに、ごくごく自然に。「ふうん、そうなの、玄武って亀に似てるんだよなあ、と言うことは、カメっぽいヤツかも、案外近場にいるのかもなあ。ミッキッコ」
 完全に字余りでしたが、私は最後に呼び捨てでミッキッコと付け加えました。これ、ダメ押しです。するとミッキッコは、それはそれはキュートに、「龍斗のバーカ、みんな神様なのよ。そんなことを言ったら、メッ!」だって。

 私はこんなミッキッコからのお叱りを受けて、目の前がクラクラクラッと。私は思わず、なぜか殊勝に謝りました。「ごめんくっちゃい!」と関西風に。
 それを聞いて、ミッキッコはムッとして、今度は真っ正面に向き直り、きっちりと私に念を押してきました。
「高瀬川龍斗さん、いい、私たちは強い絆で結ばれているのよ。オヤジ臭い冗談は止めて、観念してちょうだい!」

 私は、ミッキッコから発せられた観念と言う言葉を聞いて、男女の絡み含みかなと勘ぐりました。それで、私はこれからのこともありますから、思うところを話してみました。
「ミッキッコとの強い愛の絆、モチ観念するよ。だけどちょっと問題があるんだよなあ。会社ではオフィス・ラブが禁止されているからな。俺たちバレないように、うまく愛を育まなくっちゃね」

「バカッ! 一体何考えてるのよ、そんなセクシャルな絆じゃないわよ。私たちに必要なのは──四神の絆よ」
「えっ、そうなの、そんなの面白くないよなあ」私が不満たらしく言いますと、ミッキッコはきっぱりと、「だから、観念がいるのよ」と切り返してきました。
 さらに、「私たちの四神の絆の証拠にね、龍斗しかいなかったのよ。私を魔界からこの普通の時の流れの世界へ連れ戻してくれることができるのは。これなぜだかわかる? それは龍斗が青龍で、私が朱雀、同じ仲間だからよ」


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊