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四神倶楽部物語

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 私たちの四神倶楽部の初活動、それから1週間が経ちました。
 今回、私たち四人はすべてが急なことで、会社に多大な迷惑を掛けると思い、退職願いを用意していました。

 しかし、部長の粋な計らいで、なんとか勤めに留まれるようにしてくれました。多分、給料は減らされるでしょう、されど有り難いことです。
 私たちはいつもの仕事に復帰でき、部長に感謝感激雨霰(あめあられ)です。そして迷惑を掛けた分だけ、今は一所懸命仕事を頑張ってます。

 そんなある日、私はパソコン画面に頭を突っ込むようにして、企画書作りに没頭していました。そんな時です、いつの間にかミッキッコが横に寄り添ってきていました。そして耳元で囁くのです。
「ねえ、龍斗……、もうそろそろでしょ」
 私は突然の話しで、何のことかわからず、「何が?」と問い返しました。するとミッキッコはさらに声を潜めて、囁いたのです。

「一条戻り橋で、私がいた5月3日から救い出してくれたでしょ」
 私にとってそれはもう随分と昔のこと、今さらそれがどうしたんだよと言い返しそうになりましたが、その前にミッキッコはさらに妖しく囁いてきたのです。
「あの時、帰りの新幹線で、私言ったでしょ、憶えてる?」と。

 私はまだミッキッコが何を言いたいのか、その真意が読み切れず、ポカンとしていました。すると、ミッキッコはここが神聖なオフィスであるにも関わらず、「青龍と朱雀の間にできる子供って、一体どんな子供? ってね」と余計に悪戯っぽい目つきとなったのです。私はミッキッコのこの言葉で思い出しました。しかし、すぐにはこれに答えず、黙り込んでしまいました。

「佳那瑠と悠太君はどうも一緒に暮らすことを決めたようよ。ねえ、私たちは……、どうすんのよ?」
 ミッキッコが詰め寄ってきました。事ここに至れば、私は歯切れが悪かったですが、「うーん、俺たちもそろそろかな」と答えざるを得ませんでした。
 きっとこれは私とミッキッコのデスティニーなのかも知れません。

 私は覚悟を決めて、パソコンの画面に文字を打ち込みました。――四神同盟より二人の愛の同盟を、よろしくね、と。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊