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四神倶楽部物語

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 水底から水面へとぶくぶくと泡が噴き上がってきています。翼竜ケツァルコアトルスの花子は眼球鋭く、その湖上を何回となく旋回しています。そして最後に、ボコンと大きな泡が湖面上に噴き上がり、破裂しました。それを目撃し、女王蜘蛛の水死を確認したのです。
 そして翼竜の花子は向きを南へと変え、富士山の方向へと大きな羽を羽ばたかせました。それからしばらくして、私たちのいる樹海の聖域ゾーンへと帰ってきました。

「花子ちゃん、よくやったわよ」
 ミッキッコと佳那瑠が緑目のアニマノイドに頬ずりをしてます。それに花子はニッと笑い返しました。
「さあ、まだ終わってないよ。子供たちを助け出そう」私はもう一度喝を入れ直しました。そして洞内を確認すると、土蜘蛛星人のすべてを支配していた女王蜘蛛が死亡し、兵士蜘蛛も働き蜘蛛も腑抜け状態であることがわかりました。こうして私たち四人は結界の外へと踏み出し、百鬼洞窟へと入って行きました。

 コウモリや火の鳥のアニマノイドたちの道案内で、誘拐された人たちがいるシェルターへと向かい、何事もなく辿り着きました。そしてそこから全員を救い出し、地上へと導き出しました。
 しかし一方で、そこには宇宙カプセルなどがあり、またその聖域ゾーンを京都の秘密基地の出先と位置付けています。
 このことから、ここが日本のどこかを知り公開されると、私たちの今後のミッション遂行に支障が生じてくると考えました。したがって、洞窟から外へ出る時に目隠しをしてもらいました。

 このような救出劇、その間支配者を失った土蜘蛛星人たちは何をして良いのかわからず、茫然自失でした。そして私たちの姿を見た途端、さあっとどこかへ逃げて行きました。
 これが蜘蛛の子を散らすということなのかもしれませんね。それから私たちは、目隠しをしたままで彼らをカプセルに貼り付けてある扉を通り、京都の秘密基地へ。そしてそこからまた扉を通り、東京の私のアパートの部屋へと。

 もうすっかり陽は落ち、暗くなっていました。私は彼らを車に乗せ、しばらく走り、スカイツリーの近辺でやっと目隠しを取り、開放させてもらいました。もちろん私たちの名前も、そして四神倶楽部の情報も伝えてません。ただただ良かったですねと言い、あっさりと別れました。
 その後、私たちは樹海の中の聖域ゾーンへと戻って行きました。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊