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四神倶楽部物語

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 そこへ待ってましたとばかりに、300羽のカナリヤのアニマノイドたちが飛んで行きました。そしてくちばしで巣の縁を摘み、暴れる女王蜘蛛を大きく包んでいきました。
「さっ、今だ! 飛ばそう」
 私はそう指令を発しました。悠太は「よっしゃ!」と声を出し、操作を始めました。そうです、それは魔鈴が宇宙貫通カプセルに乗って、わざわざここまで来て、組み立ててくれた翼竜、ケツァルコアトルスのアニマノイドです。

 名前は花子、鋭い緑目をギラッと輝かせ、10メートルの翼を広げました。そして、なぜか私たちにニッと笑い、ブワッブワッと羽音を轟かせ飛び立ちました。
 花子はあっという間に百鬼洞窟の入口まで飛び、巣に絡まった女王蜘蛛を巣ごと鋭い爪で摘み上げ、樹海の大空へと舞い上がりました。翼竜から送られてくる映像には、眼下に広がる青木ヶ原の樹海が広がってます。そして北へと飛行を続け、7キロメートルほど飛んだでしょうか、湖の上へとやってきました。

 高度は1,000メートルです。花子はそこで三回の旋回をしました。風向きや風速、そして吹き上がり状態などの情報をインプットし、落下軌跡を精度良くシュミレーションし、狙いを定めて巣に絡まった5メートルの女王蜘蛛を放ちました。

「あっあー、土蜘蛛が落ちて行くぞ!」
 私はそう声を発しましたが、瞬きする間もなく、女王蜘蛛は錐揉みをしながら真っ逆さまに、湖面へと。
 大きな水しぶきが上がりました。湖面への突入速度は毎時200キロメートルはあり、大きな衝撃です。これにより即死かと思います。
 それから渦を巻き、ヤツは水底へと沈んで行きました。たとえ湖面への衝突で即死していなくとも、土蜘蛛は水が大の苦手です。水中では生きられません。すぐに窒息死です。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊