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四神倶楽部物語

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 そこにはケーブルカーのレールのようなものが敷かれていて、それに沿って、地底八キロメートルの位置までコウモリを下ろしました。そこには30メートルくらいの空間があり、その中央に大きなガラス箱のようなものが。それはどうもケーブルカーの車両のように推察されます。そしてその内部を覗いてみますと……、いたのですよ。土蜘蛛星人の女王蜘蛛が。

 女王がいるガラス箱内をコウモリに赤外線チェックさせ、温度情報を取りますと、摂氏25度程度。多分、空調を利かせてるのでしょう。
 しかし、ガラス箱の外壁は百度近くありました。こんな状態から察するに、マグマ溜まりはかなり近いかと思われます。

 さらに詳細に観察を進めますと、ガラス箱の前方に縦トンネルがあります。女王蜘蛛が重機を遠隔操作し、そこをより地下へとボーリングし、縦穴を掘り進んでいるじゃありませんか。
 この状況から読めてくること、それは女王蜘蛛がマグマ溜まりを掘り当てる。つまり縦穴を使って、まるで原油が一気に噴き出すかのように、富士山の噴火をさせようとしているのです。女王蜘蛛はマグマが噴き出した時、そこのケーブルカーでさっさと上のシェルターへと逃げる計画なのでしょう。

 最近富士山が大きな噴煙を上げました。これは女王蜘蛛の作業が順調に進んでいて、富士山噴火の前兆。
 いずれにしても、土蜘蛛星人の女王蜘蛛の目的は、富士山を大噴火させ、日本を騒乱状態に導く。そして、それに乗じて日本を乗っ取ってしまうことです。もうここまでその事実を確認すると、私たち四神倶楽部としては許すわけにはいきません。

「さあ、ヤツを退治してしまおう!」
 私は怒りで大きく声を張り上げました。みんなも同じ義憤を感じているのでしょう、「殺(や)っちまおう!」と声を上げました。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊