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四神倶楽部物語

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 百鬼洞窟の中の構造はどのようになっているのか?
 そして、働き蜘蛛がどれくらいいて、また兵士蜘蛛の数は?
 さらにターゲットの女王蜘蛛はどこにいるのか?
 これらを調査する必要があります。

 悠太がケースより三匹のコウモリのアニマノイドを取り上げ、空へと放ちました。悠太はこれらを操作し、百鬼洞窟内へと侵入させたのです。私たちは佳那瑠がカプセルの外壁に貼り付けてくれた扉を通って、京都の秘密基地へと戻りました。そして、そこでコウモリがキャッチする音波情報を視覚映像に変換し、スクリーンに映し出しました。

 コウモリのアニマノイドは洞穴を飛び、どんどんと地底へと潜り込んで行きます。そして地表から200メートルも入ったでしょうか、そこには近代的な町のようなものがあり、赤黒の縞模様のある土蜘蛛星人たちがウロウロとしていました。
 ざっと目測すれば軍服を着た兵士蜘蛛が約100匹、そして働き蜘蛛が500匹くらいはいたでしょうか。しかし、どだい蜘蛛の形ですから、私たちは思わず……反吐が出そう!

「ウェッ、ウェッ、あっちの方に大きなシェルターのようなものがあるわ、ウェッ、あそこにコウモリを飛ばしてみて」
 ミッキッコがえずきながら悠太に頼むと、悠太は回復が早い。まるでゲームを楽しむかのように、いろいろな飛行技を使い、三匹のコウモリのアニマノイドを侵入させました。その一番奥に電灯でも点いているのでしょうか、ぼんやりとした部屋がありました。そしてそこへ潜らせますと、なんと誘拐された園児や他の大人たちがそこで軟禁されていることが判明しました。

「ああ、無事だったようね。早く助けて上げましょうよ」
 佳那瑠がもう黙ってられないという風に立ち上がり、今にも駆け出しそうです。私は「ちょっと待った。俺たちの突入は女王蜘蛛をやっつけてからだよ」と佳那瑠を制止しました。そんな間にも悠太は、三匹の内の一匹のコウモリを操作し、より地底へと伸びているトンネルへと侵入させました。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊