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四神倶楽部物語

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「さあ、ミッキッコちゃん、ここを持って、このロープを木の枝に絡めながら、この沼も含めて、大きな円を作ってちょうだい。それからミッキッコちゃんは朱雀さんだから、南に立ってよね」
 佳那瑠がミッキッコに話しました。ミッキッコも早くあれを作ってしまいたいためなのか、「ちょっと恐ろしいけど、やってみるわ」と言い、ロープの先端を掴み、それを持って沼の向こうへと走りました。そして私たちも一緒になって、広場を囲むように作業し、最後にロープの先端をどうしを結び合わせました。

「さあ、ロープを木に絡めながら、ピンと張って」と私はみんなに叫び、中にカプセルを置いた状態で、径が四〇メートルほどの大きな円を作りました。それからです、ミッキッコは朱雀だから南の位置に、悠太は玄武で北に、佳那瑠は白虎、だから西に位置取りしました。
 そして私は青龍ですから、みんなと同じようにナノチューブのロープを持って、東の位置に立ちました。

「さあ、守り玉を中に向かって翳(かざ)して!」
 私のこの呼び掛けで、四人は同時に持った玉を円の中央に向けました。すると驚くことなかれ、稲妻がピカピカと空から円内へと走りました。
「結界が張れたぞ。これで円の中は聖域だよ。さあ、みんな中に入って、これで安全だよ」

 昨夜、魔鈴から結界を張りなさいと助言をもらい、そして伝授してもらったその張り方、それは一種の儀式のようなものでした。しかし現実に、この樹海の中に円のゾーンを作りました、つまり広い魔界の中に聖域を作ることができたのです。これで邪悪な土蜘蛛星人は聖域から発せられる霊気に妨げられ、入ってくることができないでしょう。

「わあ、この中にいると、私、なにか清々しい気分になるわ」ミッキッコが安心したのか、声が上擦ってます。そんなミッキッコに私は気を留めることもなく、「さあ、まだまだ作業があるよ。佳那瑠さん、カプセルの外壁に京都の秘密基地へ繋がる扉を貼り付けてくれないか。それと悠太とミッキッコは、俺と一緒に機材を準備するから」とみんなに指示を飛ばしました。
 佳那瑠はそれを受けて、「イエッサー」ともうカプセルに向かって呪文を唱えてます。また残り三人は、カプセル内から機材を外に持ち出し、地表に並べました。

 こうしていろいろな準備をし始めて、しばらくの時間が経過した時です、佳那瑠が「扉がやっと貼り付いたよ」と報告をくれました。
 私たちはこれで京都の秘密基地へと扉を通って入って行くことができるようになりました。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊