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四神倶楽部物語

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 蜂インセノイドは久々に飛べるのか、嬉しそうにあちらこちらへと飛び回っていましたが、しばらくしてから私たちの前へと来て、羽をぶんぶんと鳴らせてのホバリングです。それから私たちの歩調に合わせて道案内をしてくれました。結果として、私たちは正確に、より樹海の奥へと入って行くことができたのです。

 そして2時間ほど木々の隙間を縫って歩き進んだでしょうか、この近辺にすでに魔鈴からの宇宙カプセルが着陸しているはずです。
 私たちは蜂インセノイドに、目指す目的地を宇宙カプセルと指令修正しました。空中をぶんぶんと飛ぶ赤目の蜂インセノイドは原生林の上方へと高度を上げ、そして位置を確認したのでしょう、その後私たちの面前へと飛び戻ってきました。それから若干の前進角度を変え、私たちの道先案内をしてくれました。

 その後、3、4分は歩いたでしょうか、ミッキッコが指をさし、「龍斗、カプセルって、あれじゃない」と。私たちはミッキッコが指さす方向を見ますと、木々の合間に小さな沼があり、その水辺にオパール色に輝く、高さ5メートルくらいの宇宙カプセルを発見しました。
 早足で一斉に駆け寄ったところ、そこは沼の横にある20メートル四方に開けた場所でした。

「20光年先の宇宙から、よくこんな小さな空間に、ピンポイントで軟着陸できるものだなあ」
 私はその技術の高さに、茫然。
 それに佳那瑠が「さっ、このカプセル、早く開きましょうよ」と活を入れてくれました。「そうだな」と返し、私たち四人は、昨夜魔鈴が教えてくれた通り、守り玉を持ってカプセルを囲みました。

 するとどうでしょうか、シュワーという音とともにカプセルのドアーが開いたのです。私たちは依頼していた機材や部材が、その中に格納されているかどうか確認するため中へと入って行きました。そして要求していたものはすべて確認でき、もう百人力を得たようなもので心強かったです。

 私が真っ先に手にしたもの、それはナノチューブのロープ。
 私は「200メートルほど先に百鬼洞穴があり、ここは三洞窟の三角形の外だよなあ。まあ安全だと思うけど、まずは念のために、先にあれをやっちまっておこう」とみんなに指示を飛ばしました。

 するとミッキッコが私のそばに寄り添ってきて、「そうね、龍斗、あれね、そうしないと私恐くって……」と半泣き状態です。一方その横にいる悠太と佳那瑠、当然すべてを飲み込んでいるのか、さっさと手渡したロープをほどき始めてます。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊