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四神倶楽部物語

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 私たちは一字一句見落とさないように、この百科事典の解説を読みました。
「ああ、そうか、やっぱり仕業は土蜘蛛星人だったのだ。そして誘拐犯は、女王蜘蛛に操られた兵士蜘蛛だったんだよ」
 私は合点がいきました。他の三人も、「これで納得したわ、うーん」と唸ってます。

「だけどね、これで土蜘蛛星人の悪逆非道だとわかっても、なかなか手強そうだし……、それに悪の支配者の女王蜘蛛はどこにいるのかわかってないでしょ。どこに潜んでるんでしょうね?」
 ミッキッコが首を傾げます。それに応えて、佳那瑠は勘を働かせました。
「私ね、富士山が噴煙を上げたでしょ、あれも土蜘蛛星人の悪行だと思うわ。二件の誘拐事件で世間を騒がし、そして富士山の噴火で日本を騒乱状態に落とし入れる、そんな謀計(ぼうけい)なのよ」

「佳那瑠、さすが鋭いわね。と言うことは……」
 ミッキッコはその答を見つけたようだが、その続きを佳那瑠に委ねました。
「ねえ、みんな、ひょっとしたら、女王蜘蛛は富士の樹海、青木ヶ原の地底で、噴火させるための穴掘ってるんじゃないの」
 私はこんな佳那瑠の発言に一旦は驚きましたが、可能性は充分あるなと思い、正鵠(せいこう)を射(い)たと直感しました。

 横にいた悠太もそう感じたのでしょう、早速解析ソフトを走らせました。そしてさほど時間の経過をみず、「いたぞ! 土蜘蛛の女王が!」と大きな声を上げました。
「どこにいたんだよ」
 私たちはもう興味津々です。これに悠太は「ここです」と応答し、スクリーン上に地図を映し出しました。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊