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四神倶楽部物語

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「青木ヶ原樹海は富士山の北西に位置していて、その中に側火山(そくかざん)の一つ、標高1,468メートルの大室山(おおむろやま)があるのですよ。その麓(ふもと)に三つの洞窟、つまり富士風穴、本栖(もとす)風穴、大室洞穴があります」
 私たちは悠太の説明にそって、それぞれの場所を地図上で確認していきます。それを悠太は見定めて、さらに続けます。

「それら三つの洞窟を結んでできる三角形、その中心に未発見の百鬼(ひゃっき)洞穴ってのがあるのですよ」
 悠太はこう説明をしながら、地図を拡大していきました。私はこんなじらした語りにイラッときて、「結局、女王蜘蛛はどこにいるんだよ?」とせっつきました。
 すると悠太は、その百鬼洞穴の入口辺りの画像をさらに拡大し、「この入口から入って行き、その地底深くにいます」と自分でも納得するように断言しました。

 しかし、木々が生い茂っていて風穴の入口がどこにあるのかよくわかりません。それに悠太は気を利かせ、さらに映像のポイントを絞ってくれました。そして、やっとのことでした、私たちは穴がそこにあることを視認することができました。

「土蜘蛛星人はこんな所に巣を作っているのか。だけど、どうやったらそこへ行けるんだよ?」
 私がこれはどうしたものかと考えていると、ミッキッコは早速、「富士樹海って、磁石が利かなくって、入ったら二度と出てこられないんでしょ。私行かないわ」と予防線を張ってきました。

「まあまあまあ、ミッキッコ、まだどうするかは決めてないんだから」
 私はとりあえず宥(なだ)めてから、「俺たちの行動、そろそろ結論しないとダメなんだよなあ。みんな、どうしたら良いと思う?」と、みんなに問い直しました。これに悠太は「先輩、どうしたら良いって、どういうことですか?」と意味がよく飲み込めてないようでした。これに対し、私は雰囲気が重くならないように軽く答えたのです。
「つまり、退治するか、退治しないかだよ」


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊