小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

四神倶楽部物語

INDEX|124ページ/149ページ|

次のページ前のページ
 


 そんな状況下で、もう一つ大きな出来事が起こりました。
 それは富士山が突如として白い噴煙を噴き上げたのです。

 富士山は休火山。したがって、長い年月の間では噴火することもあるでしょう。確かに前回の噴火は1707年の宝永(ほうえい)の大噴火と記録されてます。
 それからは随分と月日が経ってます。だから歴史から見れば、1,000年に10回の噴火のペースという事実もあり、この時代に噴火の可能性は充分あるとも推察できます。それにしても、人たちはなぜこの時期にと恐れおののいています。

 二つの神隠し事件、それプラス富士山が噴煙を上げました。これらのことがまるで互いに関係があるかのように呼応し、連続的に起こったのです。
 世の中、これからさらに何が起こるかわからない。突き詰めれば、日本の崩壊が間近いのではないだろうか?
 そんな気持ちが国民の心にまん延し始め、社会は騒乱状態に陥りかけています。結果、この事態を受け、市場は敏感に反応しました。株価は大きく下げ、さらにどんどんと下げて行くネガティブ・スパイラルに陥ってしまっております。

「ねえ、みんな、今の日本、ちょっと危ないんじゃない?」
 ミッキッコが京都の秘密基地に集合した全員に、心配そうに表情を曇らせます。
「そうだなあ、誰も彼もが不安がっていて、仕事どころでなくなってきたよな。でも、なんとかなるんじゃない」 私がそんな無責任な返事をしたら、ミッキッコがぎゅっと睨み付けてきて、「龍斗、私たちのミッションは日本を守ることなのよ。その正義と大義はどこへ行ってしまったの。四神倶楽部のリーダーとして、もっと責任を持ちなさい。どうするのか、明確な指示を発しなさいよ!」と噛み付いてきました。

 こんな剣幕に、横にいた悠太は乗せられたのか、「そうですよ、先輩、どうするんですか?」と迫ってきますし、佳那瑠は「いよいよだわ」と一人頷いてます。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊