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四神倶楽部物語

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 しかし、脅えてる場合じゃありません。この秘密基地全体の仕組みや使い方を充分理解する必要があります。そこで私はリーダーとしてみんなに命を下しました。
「これからしばらく、毎日ここに集まり、この基地の使用方法を勉強しよう」

 当然のことですが、誰もこれに反対しません。
 それよりも、「わあ、どんどんと楽しくなるわ」とミッキッコは興奮していますし、佳那瑠も悠太も「おもしろそう」と同じく胸をわくわくさせていました。私にはそんな高揚感がひしひしと伝わってきました。

 しかし、私は一応親分ですから、ここは舞い上がらず冷静に、この盛り上がりに水を差すことになりますが、みんなに再確認しておかなければならないことがありまして……。
「グリースターの旅の最後の夜に決めただろ、もう一度それを繰り返しておくよ。いいか、俺たちの四神倶楽部の使命は──日本を守っていくことだよ。この目的を忘れないようにね。それと俺たちはグリーンスターの四神倶楽部と同盟を結んだよな、それでこの基地をプレゼントしてもらったのだからね、しっかり活用しなければならないんだよ」と。

 ミッキッコがこんな訓話めいた警告に憮然とし、「わかってるわよ、龍斗、くどいわ、……、ブー」とブーイング。
 しかし、そんな嫌悪感のある気持ちを大人っぽく抑えたのでしょうか、自分の意見を述べます。
「私ね、あれからずっと考えてきたのだけど、私たちの使命は日本を守るということでしょ。でも、それには基本的な方針が必要だと思うわ。それでね、それは何かなあって、ずっと考えてきたの」

 私はこんな真剣な眼差しで話すミッキッコを今まで見たことがありません。そのため、ここは真摯にきちんと向き合いました。
「それで、ミッキッコはどう考えたの? 遠慮なく話してみてよ」とさらに意見を披露することを促しました。

「私だって思うのよ、日本の未来について。つまり、掛け替えのない日本の自然は未来へと守られ、そんな中で、日本人が活き活きと生きて行けたらいいなあと。そのためにはね、グリーンスターと同じなんだよね。そのキーワードはやっぱりインデペンデンス(independence)とリコグニション(recognition)だわ。あの時龍斗が訳してくれたでしょ、それは自立と尊認だと、私も今そう思うわ。社会として、それらを構築し、根付かせ、そしてより醸成して行くことこそが、スーパーパワーを手にした私たち四神倶楽部の使命なのよ」

 私はこんなミッキッコの熱弁に思わず拍手です。そして、それにつられてか、佳那瑠と悠太からもビッグハンド。
 これにミッキッコが思わず「嫌だー」と可愛く照れちゃいました。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊