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四神倶楽部物語

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 正面には大きなスクリーンがあり、宇宙全体の画像が順次変わりながら映し出されています。そして10数台のデスクトップのパソコンが並び、また横の部屋では大型高速コンピューターなのでしょう、シーシーと音を発し、作動しています。
「へえ、ここは京都の御所近辺の、町屋の地下ということ?」

 私は初めての訪問のため、一番事情を知ってる佳那瑠に尋ねますと、「龍斗さんに、それにみんな、その通りよ。ここは町屋の、そうね地底100メートルくらいの所にあるかな。ここへの出入りはお婆さんがくれた守り玉を携帯しないと入れないから、これからも気を付けて下さいね」と、こんなオリエンテーションが佳那瑠から早速ありました。
「へえ、そうなんだ、わかりやんした」と、みんな大きく首を縦に振り、理解したわけです。

「それに、バリアー付き魔界王解析システムのソフトと、宇宙検索エンジン・四神王のアプリケーションソフト、それらをもうインストールしておいたから、そこのパソ、もう好きなように使えるよ」
 まことに有り難い話しです。私は「頑張ってくれたんだね、感謝するよ」と礼を述べましたが、それにおっ被せるように、「佳那瑠さん、さすがだね」と悠太が褒め、素早くパソコンのキーボードをポンポンと叩き始めたのです。

 するとどうでしょうか、それに呼応して、スクリーンの画像が瞬時に変わり、私たちが勤めるオフィスフロアーの映像が映し出されたわけでして、それをよくよく見ると、なんと部長がまだ居残っていて、必死の形相で書類の整理をやってるではありませんか。

「コラッ、悠太、お前、何を打ち込んだんだよ?」
 私はそんな見たくもない画像、なぜそれが突然表れたのか不思議で問い詰めました。しかし、悠太は声を弾ませて、「先輩、これって、会社名と部長の名前を放り込んでみただけなんですよ。そうだ、このソフトって、所属名と個人名を指定すれば、その個人が今何をしてるのかわかるソフト、そんな解析映像システムなんですよ」と興奮してます。

 それに圧倒され、「へえ、すごいなあ。だけど、ちょっと危険かもな」と、私たちはおっかなびっくりでした。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊