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四神倶楽部物語

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 そんな出来事があった日から1週間が経ち、佳那瑠からメールが入りました。

龍斗さん、悠太、ミッキッコへ

 四神倶楽部の集合をしましょう。
 今日は、朝から京都の秘密基地に行って扉を貼り付けてきますから、今夜8時にアパートの扉を開けて基地へと入って来てちょうだい。
 ただし、必ず守り玉をポケットに入れて持って来てね。そうでないと、入れないからね、よろしく。

                佳那瑠より

 1週間前に、秘密基地への扉を貼り付けようと佳那瑠から提案がありました。それでワクワクし、オフィスで思わず抱き付いてしまったわけですが、ミッキッコの主張によると、それはセクハラ事件。
 そんなミッキッコの機嫌を直してもらおうと、口封じにと大トロ、ウニ、アワビの高級寿司などを奢ったりして、随分と費用がかさみました。しかし、その間、佳那瑠は実に頑張ってくれました。

 私たち四人のそれぞれの部屋に、四神の模様が刻まれた扉を貼り付けてくれたのです。そして最後の仕事として、京都の町屋へと行って、基地側の扉を貼り付けてくるとメールしてきました。さらに、今夜の8時にそこを通って、秘密基地で集合しようと連絡がありました。もちろん私たちは了解と返事をしました。そして仕事を早めに切り上げ、アパートで時を待ちました。

 いよいよです。
 私はテレビで番組が変わり、8時になったことを確認し、壁にある扉をおもむろに開きました。 するとどうでしょうか、すでに基地側の扉は開かれていて、向こう側の部屋から佳那瑠とミッキッコの話し声が聞こえてくるではありませんか。
 私はポケットの中で守り玉を握り締め、「こんばんわ」と大きく声を発し、その部屋へと入って行きました。

「龍斗、こっちよ」
 極上寿司で機嫌の直ったミッキッコから元気の良い声が飛んできました。それと同時に、佳那瑠も「悠太、早くこっちへ来て」と声を掛けています。どうも同じように、今、悠太も扉を通って入って来たようです。
 そしてそこで私たちが見たものは、グリーンスターで魔鈴が案内してくれた地下の基地とまるっきり同様のものでした。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊