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四神倶楽部物語

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 そんな時に、今度は佳那瑠の弟の鳳飛が小さなケースをテーブルに乗せました。
「これ、昆虫の知能ロボット、インセノイドです。使ってください」
 そう言われてケースを開けてみますと、そこには動いてはいませんが、うじゃうじゃと……、いたのですよ。
 蟻にゴキブリ、そして蜂に蜘蛛などなどがね。スイッチオンすると、アニマノイドの目は緑でしたが、インセノイドたちは目を赤く光らせて、チョロチョロと動き始めます。

「キャアー!」
 ミッキッコが覗き込み、派手な悲鳴を上げました。その後、自分で自分の悲鳴に驚いたところもあり、少しリアクションが大き過ぎたかと反省したのでしょう、それから気を落ち着かせ、「こんな昆虫、何に使うのよ?」と。

「お姉さん、いろいろだよ。小さいけど一匹ずつ個体識別名を持っていてね、パソコンからの遠隔操作で思い通りに動かせるんだよ。必要なら猛毒を持たせることもできるから」
 ミッキッコの弟の鳳飛が姉を諭すように、こんな答えをくれました。それにミッキッコは叫んだ割には、「へえ、そうなの、何かに利用できそうね、ありがとう」と軽いです。私はこの執着のなさが朱雀の末裔であるミッキッコの本性かなと悟りました。

 それからグリーンスターの四人に向き合い、「これで、魔界王解析ソフトと宇宙検索エンジン・四神王のアプリケーションソフト、他にインセノイドたち、そして秘密基地一式、これらを全部頂いてしまいましたよね。どうお返しすれば良いのでしょうか?」と遠慮深く尋ねますと、「お兄さん、気にしないで、当然のことなのよ。こうすることが先祖たちからの遺言なの。だからこれからは助け合ってミッションを遂行して行きましょう」と魔鈴が力付けてくれました。

 私は立ち上がり、「ああ、そうしよう。これからもよろしくお願いします」と伝えました。そして、この旅のお礼と四神同盟の前途を祝し、全員とハグをし、別れを告げたのであります。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊