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四神倶楽部物語

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「龍斗さん、それにみなさん、その勇気ある決断に敬意を表します。いずれにしても私たちは兄弟姉妹、可能な限りのサポートさせてもらいますので、愛する星や国を守るという同じ目的に向かって頑張りましょう」
 貴虎はこう明言し、さらに力を込めて、「地球の四神倶楽部、そしてグリーンスターの四神倶楽部、ここに四神同盟を結びましょう」と私たちの意志を窺ってきました。

 私は話しの展開が少し早いかとは思いましたが、もう引き返せません。
「四神同盟……ですか、そのようにさせてもらいます」

 これは一種のハズミでした。しかし、みんなも賛成してくれると自信もあり、また貴虎には強い連帯を要請する返事でした。そんな有り様を確認してからです、悠太の姉の華武が書類をテーブル上に開きました。
「差し出がましいのですが、四神同盟が結ばれたということで、みなさんのために、ここに秘密基地を用意させてもらいました。そこの地下に、コンピューターや他のファシリティー、グリーンスターの基地とまったく同じものを全部準備させてもらいました。ご自由にお使いくださいませ」

 私たちはその書類に目を通し目が点になりました。華武が言った秘密基地、それは京都の御所近くにある一軒の町屋(まちや)だったのです。そして、私たち四人が名義人となっています。
「華武姉さん、なぜ僕たち、京都なの?」悠太が姉に甘えるように尋ねますと、華武はよほど弟の悠太のことが可愛いのでしょう、「京都は古くから四神の所縁(ゆかり)の地なのよ。悠太を守ってくれるパワーがあるわ。だけど気を付けてね、恐い土蜘蛛星人がまだ生存してるから。佳那瑠さん、悠太のこと、よろしくお願いします」と目を細くしました。
 私たちはこの華武の、なぜ京都なのかの話しに納得しました。

 しかし、最後に付け加えられた言葉、「佳那瑠さん、悠太のこと、よろしく」に違った意味を感じ、ぎょぎょっとしました。
 だけど、当の本人の佳那瑠は満更でもなさそうで、「はい、わかりました」と微笑みをたたえているじゃありませんか。
 私はどこでどうなってるかわかりませんが、やっぱり佳那瑠は鞍馬山以来、悠太を気に入ってしまってるのかなと、この場で考えなくてもよいことをふと思ったりしたわけです。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊