桜
そしてあの日
そうあの日
俺は、海外出張でロンドンに居た
どうにか通じる自分の英語力に辟易しつつも、折角の海外
仕事だけで終わってたまるか と
どうにか仕事を片付けた
テレビや画像でしか見た事の無い、二階建ての赤いバス
少々テンションを上げつつ
バス停で、その赤いバスを待っていた
どうにか休みを取って、友達を半ば強引に誘い
旅行にやって来た
憧れていたロンドンだった
友達とは別行動で、私は赤い二階建てバスに
乗り込んだ
街並みを眺めていた時、バス停で待つ
人影に目を奪われた
窓越しに目線が交わり
その時
10年以上の時間が巻き戻された
何故
彼だと
彼女だと
判ったのか
それは、説明する事も
誰かに理解して貰う事も出来ない事実
ただ、赤い糸は存在するのだと
漠然と理解した瞬間だった