小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

INDEX|6ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 


子供だったんだって、自分に言っていた
稚拙なだけの、ほんの小さな恋だったって

子供の私は、本当に本気で信じていた
必ず一緒に過ごせる時が来るって

遠くても、繋がりを持っていれば必ずいつか会えるって

毎日、ポストの中を覗いていた
朝、そして夕方
バイクの音がする度に窓の外を見て
朱いバイクで無い事を知って落胆する

そのうち、ため息をつく事が嫌になって
空っぽのポストが怖くなって
いつの間にか見る事を止めてしまっていた

何故、待つことばかりせずに、自分から手紙を書かなかったんだろう
返事が来なくても、出せば良かったんだ

けれど・・・・


        

       思いついたように手紙を出したところで
       拒絶される事が、何よりも怖かったんだ

       電話を掛けても、沈んだ声が電話の向こうに
       あったとしたら
       傷つきそうで怖かったんだ

       俺の事などもう何とも思っていない
       そんな雰囲気を感じ取りたくなかったんだ


作品名: 作家名:fool